活動報告BLOG

ヒグマにGPS首輪を装着しました

知床ではヒグマの生態や行動を研究するため、ヒグマにGPS発信機を装着する調査を継続的に行っています。

今回は北海道大学獣医学部と協力して、0才1頭連れのメスのヒグマを麻酔で眠らせGPS発信機(首輪)を装着しました。この個体は観察記録から4才と推定され、今年初産と考えられます。

麻酔で眠らせたヒグマ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近年は動物行動追跡用の発信機も進化しており、GPSで緯度経度を測位して自動的にデータをインターネットにアップロードしてくれる高機能タイプがあります。ひと昔まえでは考えられませんでした。ただ機器が非常に高価なため、多くのヒグマに装着することはできません。

この度装着したモデル(Vectronic製 Vertex Plus)は、さらにカメラ機能がついており、ヒグマの目線(実際には首輪目線ですが)から見た映像を記録することができます。ただしこれは発信機を回収しないとデータを取りだすことができません。野生のヒグマがどのような世界を見て生きているのか、気になりますね。

今回の首輪装着は富士フィルムグリーンファンドから助成を受けて実施しています。

今回装着したカメラ付き発信機

発信機を装着したヒグマ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去の調査データではヒグマが季節的に低地と高山を行き来している行動が確認されました。その過程で高山のハイマツ帯に発信機が落ちてしまうことがあり、回収のためハイマツの藪をこいだり雪山を上って雪に埋まった発信機を掘ったりといった苦労がありました。その苦労も「ヒグマのことをもっと知りたい」という気持ちがあるから楽しめるのです。

首輪は一定期間が経過すると脱落する仕組みになっていますが、回収が楽にこしたことはないので、今回の発信機がなるべく回収しやすい場所に落ちることを祈るばかりです。

麻酔から覚めて無事に再会した親子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(担当:能勢)

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平成30年度 北海道大学獣医学部の野外実習を行いました

今年度も、9月25~28日の期間、北海道大学獣医学部の野外実習を受け入れました。今回は獣医学部4年生15名の参加となりました。恒例の行事みたいになってきましたが、毎年来られる学生さんたち(と教員のみなさん)のユニークさとパーソナリティーにスタッフは新鮮さを感じています。

学生の皆さんには3班に分かれてもらい、知床自然センター周辺をフィールドにしてもらってそれぞれのテーマに基づいた調査やサンプル収集をしてもらいました。

班ごとのテーマは1班が「ヒグマの食性」、2班が「キツネとネズミと寄生虫」、3班がエゾシカとダニと植生」です。実質2日半という短い時間で、野外調査とデータ分析、取りまとめ、発表を行うという忙しいスケジュールでした。さらに実習の成果報告という形で、学生の皆さんにブログ用のレポートを書いてもらいました。

ブログへの投稿は2013年から毎年行っていますのでよかったら過去記事もご覧ください(2017年2016年2015年2014年2013年)。OBの人達も見ているかもしれませんね。

以下からが学生のレポートになります。

 

 

 

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ダイキン工業「第14回知床ボランティア」開催報告

実施期間:2018年9月20日(木)~23日(日)

この週末、ダイキン工業の社員の皆さん10名が秋の知床を訪れ、羅臼町のルサ地区で防鹿柵の設置作業に汗を流しました。

この企画は、2011年より始まったダイキン工業様からの寄付による森づくりの一環で、有志の社員の皆さんがボランティアで実際の森づくり作業に関わるというものです。この秋で14回目の開催となり、今回はいつも斜里町側を離れ、お隣の羅臼町にて作業を行いました。

ルサ川の河口にあるルサフィールドハウスの裏手には、石がごろごろとした草地が広がっています。かつてここには、湿地や灌木林があったそうなのですが、今はその面影はありません。そこで、昨年から地元の方のご寄付を受け、この場所での森づくりをスタートしています。

今回は、昨年設置開始した小さな柵を拡張する作業を行いました。柵を立てるといっても、足元や地面の中には石がごろごろしているため、穴を掘ることはできません。そこで、これまでの森づくりのノウハウを活
かし、柱を立てず、支柱をトライアングルで組ん
でいく方法で作業を進めました。

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ドングリの豊凶調査

9月上旬にミズナラのドングリの豊凶調査を行いました。

 

 

 

 

 

 

 

ヒグマにとって、ミズナラのドングリは脂肪を蓄えるための重要な餌資源ですが、その生産量には年変動があります。つまり、豊作の年もあれば、並作の年もあり、ドングリが極端に成らない凶作の年もあるということです。そこで、ドングリの成り具合を調べるために行うのが豊凶調査です。

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雑誌「モーリー」50号に記事が載りました

(公財) 北海道新聞野生生物基金が発行している自然系の雑誌「モーリー」の50号に、私たちが書いたヒグマに関する記事が掲載されました。

「知床半島のヒグマの現状 ~国立公園内で進む人なれと分散先で死んでいくクマたち~」、「クマと人を守るためのルール ~デナリ国立公園に学ぶ~」というタイトルで、合計6ページにわたって写真入りで掲載されています。

知床国立公園内やその周辺では、車から降りてヒグマに自ら接近して撮影する人々が、近年多数見受けられます。それがどういう結末につながるのか?遺伝子分析の結果、明らかになってきた知床の残酷な現実を書かせていただきました。

ヒグマの写真を撮りたい皆さんには、接近撮影が被写体となったヒグマの寿命を縮めることを是非とも理解していただきたい。ヒグマを見ても車から降りない、徒歩の状態でヒグマに出会っても自分から近づかない、最低でも50m以上の距離をとる、といった点を「ヒグマのために」守っていただきたいと思います。

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