活動報告BLOG

子どもたちが100平方メートル運動地に木を植えました!

実施日:9月25日(金)

事前にヒグマについて学び、植樹活動に臨みました。

斜里町の朝日小学校6年生が、100平方メートル運動地にトドマツの苗木を植えました。
朝日小学校では、知床の自然や斜里町の取り組みについて理解を深めるため、世界自然遺産と100平方メートル運動(以下運動)について学習してきました。今回の植樹活動もその学習の一環です。運動の森づくりに参加することで地元の子どもたちは、郷土の歴史を学び知床の自然を体験します。

朝日小学校の児童にとって知床世界自然遺産地域は、同じ町内とは言え、生活圏ではないため身近な場所ではありません。植樹活動を行う前に、森の中でヒグマに遭わないための歩き方や万が一遭遇してしまった時の対処法

植樹方法を学ぶ子どもたち。

などを事前に学習します。また、子どもたちの多くが初めての植樹体験です。土の感触や作業の難しさを味わいながら、小さなトドマツを植えました。

今回子どもたちが植えたトドマツの苗木は、2017年の秋に苗畑に移植して育てたものです。その時もボランティアさんの協力を得て移植作業を行いました。その苗木が今回、子どもたちの手によって植えられました。100平方メートル運動の森づくりは、苗木に託された人々の想いをバトンのように繋いで、森づくりを進めています。

 

みんなで協力してトドマツの苗木を植樹しました。

, コメント (0)

幌別川河口のサケ釣りの現状と経緯

幌別川

幌別川河口付近に現れたヒグマ

幌別川は、北海道の知床半島西側、斜里町にある河川。知床国立公園の入り口であり、世界自然遺産地域と、地域住民が生活しているウトロ地区との境界ともなっています。8月以降の幌別川にはカラフトマスやシロザケが遡上し、それを狙ってヒグマが頻繁に現れます。また、この幌別川の河口付近の海岸にも、同じくカラフトマスやシロザケを狙って毎年大勢の釣り人が訪れます。

しかし、幌別川河口周辺の海岸は2020年7月31日以降は立ち入りできない状況となっています。ここでは、その理由を過去の経緯と共に説明していきます。

 

2016年9月以前の状況

釣り場に捨てられたサケの頭

ヒグマに中身を漁られ、おにぎり等を食べられた。

サケマス釣りで有名な幌別川河口は、不特定多数の釣り人が集まる人気スポットです。ヒグマが生息する場所だという事を頭で分かっていても、いざヒグマが出現した際には心の準備や退避の準備が出来ておらず、間違った対処法を取ってしまう釣り人が少なからずいます。例えば、一部の釣り人が釣った魚をその場で処理して、内臓や頭などをその場に捨ててヒグマを誘引してしまったり、離れた場所に置いていた荷物や魚をヒグマに奪われるなど、危険な状況が度々起こっていました。このような経験をしてしまったヒグマは、人身事故を引き起こす可能性が高いため、駆除せざるを得ないこともありました。2016年8月には、このようなトラブルが立て続けに発生しました。

 

2016年9月以降の状況

事故防止のルール

釣り人とトラブルを起こしたヒグマが頻繁に幌別川河口に現れるようになりました。そのため幌別川河口周辺は危険と判断され、2016年9月2日に幌別川河口付近への立ち入り自粛要請が関係行政機関によって宣言されました。しかし、幌別で釣りを続けていくことを希望した釣り人有志により、「幌別の釣りを守る会」(以下、釣りの会)が9月9日に結成され、ヒグマとの事故防止のためのルールを徹底することを条件に、幌別川河口付近での釣りを再開できることとなりました。釣りの会の活動開始以降は、ヒグマとのトラブルは激減し、ゴミや魚の内臓も捨てられなくなり、釣り場の景観が著しく改善しました。そして2020年3月には、知床ヒグマ対策連絡会議(構成組織:環境省、北海道森林管理局、北海道、斜里町、羅臼町、標津町、知床財団)により「幌別河口釣りガイドライン」(下記URL)が作成されました。

 

「幌別川河口釣りガイドライン」

https://drive.google.com/file/d/1zEy3vC22PumcWFXpdWqlZrB6uCxQrfZ5/view?fbclid=IwAR2NI-oXy_YmEInRRzJ2v7qTzXsGVd9_2-QBJnod5eDlQrwRJnE3iebUrnc

 

 

2020年の状況

釣り人の魚を奪ったヒグマ

2020年7月31日、釣った魚を同日中に少なくとも2度、ヒグマに奪われる事件が起こりました。同一のヒグマにより魚が2度も奪われているため、人と食物(魚)を関連付けて学習してしまったことは明白でした。新型コロナウィルス感染拡大防止のため、釣りの会によるルール徹底の呼びかけが縮小された状況下に加え、法的担保のない中でのボランティアによる「お願い」ベースの呼びかけでは、ヒグマとのトラブルを防ぐには限界がありました。人から魚を奪うことを学習したヒグマは頻繁に河口付近を徘徊するようになり、漁業者に接近したり漁船の上に乗りこむなど行動がエスカレートしました。このようにヒグマによる人身事故の危険度が増大したため、「幌別河口釣りガイドライン」に従って幌別川河口付近への立ち入り自粛要請が再び発令されました。

 

問題のヒグマは捕獲されるも依然として危険な状況

 

河口でマスを捕らえる0歳2頭連れ親子

人から魚を奪うことを学習したようなヒグマは、「知床半島ヒグマ管理計画」(後記URL)における「行動段階2」または「行動段階3」のヒグマとして基本的に捕獲する対象となります。そのため、今回の問題個体も、警察による厳しい発砲に関する制約の下、ようやく8月24日に幌別川の河川敷内にて射殺されました。その後、釣りの会と関係機関(環境省、北海道森林管理局、北海道、斜里町、知床財団)が集まり、立ち入り自粛解除の可否も含めた今後の対応方針が話し合われました。その結果、新型コロナウィルスの影響で釣りの会の活動を縮小せざるを得ない状況に加え、捕獲されたヒグマ以外にもゴミに餌付いた可能性の高いヒグマが幌別川付近で活動しており、今後も人身事故発生のリスクが極めて高い状況が続くことから、2020年に関しては立ち入り自粛要請を継続することとなりました。

 

「知床半島ヒグマ管理計画」

http://hokkaido.env.go.jp/kushiro/kanrikeikaku.pdf

今シーズン現場に設置されている看板

 

コメント (0)

知床ディスタンス!キャンペーン~ニンゲンもクマも距離感が大切~

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い「ソーシャルディスタンス(social distance)」という言葉をニュースなどで目にする機会が多い昨今ですが、知床ではある「ディスタンス」が課題となっていることをご存知でしょうか?

 

それは、人と野生動物の距離(ディスタンス)です。

 

ヒグマなどの野生動物が生息する知床では、観光客が野生動物をより間近で観察・撮影するため、動物との距離を気にせず不用意に近づいてしまう、車から降りてしまう、といった危険な事例が絶えません。

https://www.shiretoko.or.jp/report/2020/07/5228.html

これらは人身事故の危険性だけではなく、野生動物の人慣れを助長してしまうことで、野生動物の生態をかく乱してしまうことに繋がります。

 

こういった人と野生動物とのディスタンスの課題を解決するため、7月より「知床ディスタンス!キャンペーン」を開始しました。

https://brownbear.shiretoko.or.jp/

キャンペーンでは、野生動物との正しい距離感「知床ディスタンス(ヒグマは50m以上、エゾシカは30m以上距離をおく)」をご理解いただくため、知床の各ビジターセンターにてディスタンスカードを配布しています。

 

野生動物との距離感を測ることができる知床ディスタンスカード。デザインはカナダの国立公園を管理する政府機関Parks Canadaで発行している対策カードから着想を得ている(Parks Canada公認)

腕を伸ばしてカード右面の窓枠を通して対象動物を見ると、ヒグマは50m以上(左窓)、エゾシカは30m以上(右窓)離れているかを確認できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9/19~9/22の連休期間中は、道の駅うとろ・シリエトクにてキャンペーンイベントを開催しました。

キャンペーンを共同で運営する関係団体と協力してキャンペーングッズの配布を行ったほか、会場へお越しいただいた方にディスタンスカードを体験していただきました。

 

 

 

ディスタンスカードを使ってヒグマ(奥の赤いパネル)との距離を測る様子。

残暑を感じさせる暑さの中、会場にはヒグマの「アニエス」が登場。

警察の1日署長キャンペーンとのコラボレーション。イベントでは警察の方々にもご協力いただき、運転中に野生動物を見かけても「車から降りない」ことを広く呼びかけました。1日署長は斜里町出身のタレント多田萌加さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビジターセンターでは引き続きディスタンスカードの配布を行っていますので、知床にお越しになる際は是非お立ち寄りいただき、カードを手に取って観光にお出かけください。

 

ニンゲンもクマも距離感が大切

 

知床の野生動物が野生であり続けるために、

野生動物とニンゲンが知床で在り続けるために、

ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。

コメント (0)

不法投棄が絶えぬ世界遺産Part2

2020年5月に「不法投棄が絶えぬ世界遺産」というタイトルでブログを書きましたが、今回はその続編です。

相変わらずゴミの不法投棄(ポイ捨て)が無くなりません、それどころか増えている印象です。

はっきり言うと、めちゃくちゃです。

全てを紹介すると、キリがないため、ピックアップしたものを時系列で紹介します。

 

(1)2020年7月26日

   場所:岩尾別温泉道路

   投棄物:茹でたエビの殻


茹でたエビの殻。


 

(2)2020年8月11日

   場所:フンベ川周辺

   投棄物:中身の入った納豆、釣り餌・ペットボトル、たばこの吸い殻

 

釣り餌。

中身の入った納豆。


 

(3)2020年8月22日

   場所:知床横断道路

   投棄物:チャーハン、バナナの皮、ジュース、タバコなど


チャーハン、バナナの皮など。


 

(4)2020年8月25日

   場所:金山川周辺

   投棄物:カップめんの容器、ペットボトル、缶

カップ麺の容器。

回収したゴミ(45Lゴミ袋4つ分あった)。


 

(5)2020年8月26日

   場所:岩尾別温泉道路

   投棄物:食品包装紙やペットボトルなど

食品包装紙やペットボトルが散乱。


 

(6)2020年8月28日

   場所:オチカバケ川周辺

   投棄物:腐った釣り餌、中身の入ったジュース、ビール缶、タバコなど

腐った釣り餌、中身の入ったジュース

ビール、タバコなど。

回収したゴミ(45Lのゴミ袋4つ分あった)。


(7)2020年8月30日

   場所:知床国立公園内、自然センターから五湖へ向かう道路上

   投棄物:おにぎり

投棄されたおにぎり。


 

(8)2020年9月3日

   場所:フンベ川、三段の滝、遠音別川

   投棄物:中身の入った納豆、釣り餌・ペットボトル、たばこの吸い殻、マスの内臓(※釣った人に注意をして回収してもらった)

マスの内臓。川の中に捨てられていたため一カ所に集めた様子。

45Lゴミ袋5つ分。


ゴミの投棄は、ヒグマをはじめとした野生動物への餌付けです。

そもそも野生動物がいるいないに関わらず、犯罪です。

ヒグマが餌付けば、人身事故につながり、最悪命を落とす人が出てきてしまいます。

その場合、ヒグマは駆除されるでしょう。

そして、利用者のモラルが改善されなければ、今後もこの繰り返しです。

これが世界自然遺産なのでしょうか。

(知床財団 村上)

 

 

, , , コメント (4)

【知床ヒグマ対策連絡会議より発信】知床世界自然遺産地域境界におけるヒグマの捕獲について

 2020年8月24日(月)午前11時18分頃、斜里町字岩尾別(幌別川河口付近)において、推定年齢3-4歳の若いオスグマ1頭を捕殺しました。

 このヒグマは7月31日に幌別川河口で釣り人の釣った魚を奪った個体(19MS01)であり(DNA分析により確定)、人に対する警戒心は極めて弱くなっていました。人の近くに行けば容易に食べ物が手に入ると学習していたものと考えられます。きわめて危険なため7月31日以降、幌別川河口を立ち入り禁止とし、経過を観察していましたが、このヒグマは日中、幌別川河口の海岸を徘徊、道路や建物近く、漁業者の作業場に出没して人に接近するなどの行動を繰り返しました。また、人が見ている目の前で係留中の漁船に乗り込むような行動も確認されました。

 さらに、糞や毛などを用いたDNA分析結果から、2020年3月にフレペの滝遊歩道で、追いかけるように利用者に接近してきたヒグマと同一個体である可能性が高いことが明らかになっています。

 

 現状で物的被害や人的被害は確認されていませんが、住宅地も近く、今後の行動改善も期待できないと判断、関係行政機関が定めた「知床半島ヒグマ管理計画」に基づき、捕獲もやむなしとの判断に至り、当該個体を8月24日に捕殺しました。

続きを読む →

コメント (3)

ブログ