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「たまには山へ恩返しin知床」開催しました。

10月28、29日と11月5、6日の4日間をつかって
「たまには山へ恩返しin知床」プロジェクトを実施しました。
講師は、大雪山で日々登山道整備を行っている「山守隊」の3名。
山守隊の代表・岡崎様から「近自然工法」を教えていただきながらフレぺの滝遊歩道を整備しました。

ところで近自然工法とは…、
●自然に近い工法:自然界の構造物を理解し、その形を再現すること
●自然に近づける工法:施工後、生態系が復元し、自然が再生していくこと
ということだそうで、初めて聞く言葉や説明に初めは「???」となっていた私の頭でしたが、
「『生態系の底辺が住める環境を復元させれば、おのずと生態系のピラミッドが出来上がる』
という発想に基づいて考えます」
という岡崎さんの言葉を聞いた瞬間、なんだかとても面白そうな予感がして、早く現場へ出かけたくなりました。

 

作業を始める前にまずはレクチャーを聞く参加者の皆さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

知床自然センターでレクチャーを聞いたあとは外に出て、まずは作業で使う道具を教えてもらい
作業中のやり取りがスムーズになるように名前もしっかり覚えます。

石を集めて運ぶ「てみ」。石も大きさによって呼び方が変わります。

 

 

 

 

 

 

 

 

道具もそろったところで、いよいよ現場へ。
現場に向かう際は、整備に使う道具はもちろん、木材や石材も含めて参加者全員何かしら担いでいきます。

 

 

 

 

 

 

まず初めに手を付けるのは、この場所です。上部に向かって見上げてみると
左側が大きく落ち込んでいるのがわかるでしょうか。
雨の日はこの土の傾斜がとてもすべりやすくなり、歩きづらい場所です。

 

 

この道をどのように仕上げるか、講師・岡崎さんと一緒にみんなで考えます。
岡崎さんいわく、イメージすることが大切だそうで、
ここを歩く人々の歩みも頭で思い浮かべながら
どれくらいの傾斜をつけた階段にするのか、
あるいはスロープ状に整備するのか、
じっくり時間をかけて考えました。

 

 

 

 

イメージと形の方向性が定まったら、今度はどんどん手を動かしていきます。
材を運ぶ人、ステップをはめていく人など役割分担しながらひとつずつ作業を進めていきます。

 

 

丸太を運ぶ人。

石を選んで集める人。

石をはめていく人。

面をつくりならしていく人。

 

 

 

今回は、地元のネイチャーガイドの方や環境省職員、(一社)知床しゃりのスタッフ、そして普段、知床の森づくりにご尽力いただいているボランティアの方々など幅広い分野からご参加いただきました。
今回のプロジェクトは、私たち知床財団だけではなく、普段から遊歩道を活用いただいているガイドの方をはじめ、地元の方たちと一緒に“道づくり”に取り組みたいという気持ちから生まれたものです。
みなさん、肉体労働にもかかわらず作業に夢中で取り組んでいただき、道は見違えるほどになりました。

なんども遊歩道上を往復し、重たい丸太も石材もたくさん運んでいただいたのに
作業中から最後の集合写真まで皆さん終始笑顔でした。
作業の充実感もさることながら「近自然工法」という岡崎さんの教えが参加者の皆さんの心に届き、
喜びや楽しみを感じてもらえたのではないかと思えました。
今シーズンの整備は終了しましたが、また来年もこのようなプロジェクトを続けていきたいと思います。

 

 

参加者の皆さん、改めて、ありがとうございました!

(担当:秋葉、山本)

 

 

 

 

※この事業は環境省による「国立・国定公園の誘客の推進事業費」の交付を受けて実施しています。

 

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