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【知床ヒグマ対策連絡会議より発信】知床世界自然遺産地域内におけるヒグマの捕獲について

 本日11月8日(木)午前9:30分頃、斜里町岩尾別地区(遺産地域内)においてヒグマ1頭(子グマ1頭を連れた親グマ)を捕殺しました。

 このヒグマについては人に対する警戒心が希薄で、遺産地域内の道路沿線で度々目撃されていました。5月27日に生ゴミを採食しているところを目撃されたことから、捕獲を検討しましたが、その後人に対する攻撃的な行動等は確認されなかったため、一旦経過観察としていました。

 しかし11月1日ウトロ市街地内への侵入徘徊があり、一旦遺産地域内に追い払いを行なった後も、その2日後には観光利用者が多く利用する道路上に滞留、通過しようとした車両2台に突進しました。車両の破損や人身被害は確認されませんでしたが、目撃者の聴き取り情報なども加味して、今後行動の改善は期待できないと判断し、捕獲やむなしとの判断に至り、本日捕殺しました。

 なお捕獲個体が連れていた子グマ1頭については、生ゴミの採食や人や車両に突進するといった行動は確認されていません(捕獲していません)。

 

○捕獲日時:11月8日 午前9:30頃

○捕獲場所:斜里町岩尾別(知床世界自然遺産地域内)

 

○捕獲に至るまでの経過:

5月27日:遺産地域内の岩尾別地区内で生ゴミを採食。一旦、追い払いを実施。生ゴミを片付けて事業者を指導。(、②)

(この間、周辺道路沿線で頻繁に目撃情報、その都度追い払い)

10月4日:学術目的で標識(首輪・耳タグ)を装着。

11月1日:ウトロ市街地へ侵入徘徊。追い払いで遺産地域内に誘導。

11月3日:遺産地域内の道路上に滞留、車両2台に突進、車両1台に接触。

11月8日:岩尾別で捕殺。

 

知床ヒグマ対策連絡会議

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ヒグマにGPS首輪を装着しました

知床ではヒグマの生態や行動を研究するため、ヒグマにGPS発信機を装着する調査を継続的に行っています。

今回は北海道大学獣医学部と協力して、0才1頭連れのメスのヒグマを麻酔で眠らせGPS発信機(首輪)を装着しました。この個体は観察記録から4才と推定され、今年初産と考えられます。

麻酔で眠らせたヒグマ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近年は動物行動追跡用の発信機も進化しており、GPSで緯度経度を測位して自動的にデータをインターネットにアップロードしてくれる高機能タイプがあります。ひと昔まえでは考えられませんでした。ただ機器が非常に高価なため、多くのヒグマに装着することはできません。

この度装着したモデル(Vectronic製 Vertex Plus)は、さらにカメラ機能がついており、ヒグマの目線(実際には首輪目線ですが)から見た映像を記録することができます。ただしこれは発信機を回収しないとデータを取りだすことができません。野生のヒグマがどのような世界を見て生きているのか、気になりますね。

今回の首輪装着は富士フィルムグリーンファンドから助成を受けて実施しています。

今回装着したカメラ付き発信機

発信機を装着したヒグマ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去の調査データではヒグマが季節的に低地と高山を行き来している行動が確認されました。その過程で高山のハイマツ帯に発信機が落ちてしまうことがあり、回収のためハイマツの藪をこいだり雪山を上って雪に埋まった発信機を掘ったりといった苦労がありました。その苦労も「ヒグマのことをもっと知りたい」という気持ちがあるから楽しめるのです。

首輪は一定期間が経過すると脱落する仕組みになっていますが、回収が楽にこしたことはないので、今回の発信機がなるべく回収しやすい場所に落ちることを祈るばかりです。

麻酔から覚めて無事に再会した親子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(担当:能勢)

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ドングリの豊凶調査

9月上旬にミズナラのドングリの豊凶調査を行いました。

 

 

 

 

 

 

 

ヒグマにとって、ミズナラのドングリは脂肪を蓄えるための重要な餌資源ですが、その生産量には年変動があります。つまり、豊作の年もあれば、並作の年もあり、ドングリが極端に成らない凶作の年もあるということです。そこで、ドングリの成り具合を調べるために行うのが豊凶調査です。

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雑誌「モーリー」50号に記事が載りました

(公財) 北海道新聞野生生物基金が発行している自然系の雑誌「モーリー」の50号に、私たちが書いたヒグマに関する記事が掲載されました。

「知床半島のヒグマの現状 ~国立公園内で進む人なれと分散先で死んでいくクマたち~」、「クマと人を守るためのルール ~デナリ国立公園に学ぶ~」というタイトルで、合計6ページにわたって写真入りで掲載されています。

知床国立公園内やその周辺では、車から降りてヒグマに自ら接近して撮影する人々が、近年多数見受けられます。それがどういう結末につながるのか?遺伝子分析の結果、明らかになってきた知床の残酷な現実を書かせていただきました。

ヒグマの写真を撮りたい皆さんには、接近撮影が被写体となったヒグマの寿命を縮めることを是非とも理解していただきたい。ヒグマを見ても車から降りない、徒歩の状態でヒグマに出会っても自分から近づかない、最低でも50m以上の距離をとる、といった点を「ヒグマのために」守っていただきたいと思います。

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地元の学校で「クマ授業」を開催しました。

知床国立公園の最寄町、ウトロ。

たくさんのヒグマが生息し、毎年多くの旅行者が訪れる知床ですが、ここには地元の方々の生活があり、子供たちが通う学校があります。

知床ウトロ学校で、毎年恒例の「クマ授業」を開催しました。

先生役の8年生とヒグマクイズに元気に答える1.2年生。

 

「ヒグマってどんな生き物?」

「クマに会ったらどうする?」

まずは8年生が先生になって、1,2年生に授業をしてくれました。

近くに母ぐまがいるから、近寄ったらいけないよ。

あっ、こぐまがいるよ!どうする?



さすがは8年生。毎年授業を受けてきたおかげで、しっかりと下級生に伝えることができました。

「こんなクイズ簡単だよ!」「去年もやったもんね!」

お次は知床財団スタッフによる2,3年生、3,4年生へのレクチャー。

8年生があまりにも立派だったので、プレッシャーを感じるスタッフですが・・・

みんな楽しく真剣に聞いてくれました!

「ヒグマは積極的に人を襲う生き物ではないよ。ヒグマに出会ったら、あわてずさわがず、ゆっくりと離れて学校やお家に連絡しよう。」



ヒグマの学習キットを使って、クマの生態も学びました。

ヒグマとトド頭蓋骨。歯の違いがわかるかな?

ヒグマの糞の標本。何を食べていたかがわかるよ。


この季節、0歳の子ぐまを連れたヒグマをよく見かけます。

クマにとっても、ウトロの子供たちやお父さんお母さんにとっても、ここはかけがえのない生活の場です。それぞれの日常を守っていくことの大切さを、この授業を通して私が教わったように感じます。

(担当:川村)

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