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幌別川河口のサケマス釣り ~2021年の状況~ Ver.2

 2021年7月21日に更新したブログ「幌別川河口のサケマス釣り~2021年の状況~」については、説明不足な部分があり、誤解を招くような表現となってしまったことをお詫びいたします。あらためて本ブログにて上記ブログを補足し、再度幌別川河口の状況を説明させていただきます。

 

<幌別川とその周辺について>

 世界自然遺産地域にも指定されている知床国立公園の、斜里町側入口に位置するこの幌別川には、8月以降、カラフトマスやシロザケが遡上し、ヒグマは採食のため河川周辺に頻繁に現れます。同様に釣り人もマスやサケを狙って毎年大勢が訪れます。そのため、これまで釣り人とヒグマとの間には様々なトラブルが少なからずありました。しかし、この場所は地元漁業者の漁業活動の場であり、地域住民が生活しているウトロ地区と接している場所でもあります。少し歩けば住宅や飲食店があり、宿泊施設もあります。そのため幌別川で起こるヒグマに関するトラブルは、地域住民を危険にさらすことにも直結し、トラブルの原因となった特定のヒグマを捕殺せざるを得ない状況になることもありました。

(過去の経緯はこちらのリンク先にまとめています↓)

幌別川河口のサケ釣りの現状と経緯(2020年9月25日発信)

 

<クマ対策について>

 上記のリンク先でも記していますが、事故やトラブルを防止するためには、釣り人が皆ヒグマのことを理解し、ルールを守ることが必要であるとの考え方に基づいて、釣り人有志による「幌別の釣りを守る会」が2016年に発足しました。その後は会の活動もあり、大きな問題が起こることなく、多くの釣り人が幌別で釣りを楽しむことが出来ました。

(幌別のクマ対策や幌別の釣りを守る会について掲載しています↓)

「クマ対策~幌別川の現場から~」(SEEDS:2017年冬発行)

 

 しかし2020年には、ルールを守らなかった一部の釣り人により、1頭のヒグマが人から魚を奪うことを学習してしまいました。当該ヒグマはその後危険な行動を繰り返したため捕殺されましたが、問題個体の捕殺はその場しのぎの対症療法でしかなく、問題の根本的な解決には至りません。幌別の釣りを守る会が発足する2016年以前も、釣り人の釣魚を奪ったり、捨てられた魚の内臓に餌付いたり、置いていた荷物を漁っておにぎりやパンを食べるなどの問題を起こしたヒグマが何頭も捕殺されてきました。しかし、人から食べ物を得ることを学習した危険なヒグマを実際に捕殺するのは、釣り人ではなく、私たちヒグマ対策員です。ヒグマを捕殺する作業は、かなりの危険を伴います。私たちも、出来ればこのような危険なヒグマを相手にしたくはありません。

(2020年に幌別川で捕殺したヒグマについて記しています↓)

【スタッフのつぶやき】幌別川でのヒグマの捕殺を受けて(2020年8月26日発信)

 

<2021年について>

 2021年の幌別川周辺では、昨年に引き続き、人為的なごみに餌付いてしまったヒグマを含む多数のヒグマが活動しており、非常にリスクの高い場所となっています。釣りをする場合は、以下のルールを必ず守ってください。

 

1.ヒグマ出現時は、全ての荷物と魚を持って避難する

2.速やかな避難のために・・・

 ・釣った魚はすぐにネット等に入れる

 ・荷物は少なくし、魚と共に常に手の届く距離で管理する

 ・釣魚は一度に運べる本数に自制する

3.釣った魚は解体せず、全て持ち帰る

この画像は2021年8月10日に追加しました。

この画像は2021年8月12日に追加しました。

 

 昨年に引き続き2021年も、ゴミに餌付いた特定の要注意ヒグマの幌別周辺での活動が確認されています。特に国立公園側(右岸側)での釣りは、背後から急にヒグマが出てきて更に危険なため、2021年については、幌別の釣りを守る会と関係機関(環境省、北海道森林管理局、北海道、斜里町、知床財団)が協議した結果、幌別川河口よりも国立公園側(右岸側)の海岸での釣りは自粛という判断になりました。

<知床でのサケ・マス釣りについて>

 知床国立公園には知床半島の中でも特に多くのヒグマが生息しています。その高密度生息域内でマスやサケが遡上する数少ない河川のひとつが幌別川です。今年その幌別川を利用すると予想されるヒグマは、我々が個体識別できている分だけでも計26頭います。毎年必ず複数頭のヒグマが幌別川を餌場として利用しているという事実を、どうかご理解ください。また、サケやマスはヒグマにとって非常に魅力的な食物のひとつです。ヒグマが高密度に生息する地域で、ヒグマがサケやマスを求めて河口に集まる時期に、サケやマスを手にするという事は、登山や散策といった他のレジャーアクティビティとは圧倒的にリスクが異なります。釣った魚の管理や、すぐに避難できる体制を維持するなど、前述のルールを守らなければならない理由はそのためです。

<知床に関わる方たちへ>

 今回は釣りについて取り上げましたが、他のレジャー等についても、利用者(来訪者)や地域住民の方に起因するヒグマとの軋轢や危険事例が多数確認されています。野外にゴミを投棄しないことや、運転中にヒグマを見かけても車から降りない、近づかない、渋滞を起こさない配慮など、守っていただきたいマナーがあります。このようなことについても日々、ビジターセンターや私たちのブログ、SNS等を通じて、時には関係機関と協力して課題の発信と利用マナーの普及啓発に努めているところです。皆様どうかご協力をお願い致します。

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(知床のひぐまホームページ↓)

https://brownbear.shiretoko.or.jp/

, コメント (1)

コメント 1件

  1. said: 昔はこんなに嫌われていなかった釣人 on
    こんにちは。
    毎年、ウトロ周辺で鮭鱒釣りを楽しんでおります。
    今年の幌別川での釣り再開は条件付きとはいえ、大変喜ばしく思っております。幌別の釣りを守る会の皆様方のご尽力あっての再開と感謝の気持ちです。
    マナーについて言えば、昨今のアウトドアブームに伴い初心者の釣り人が増え、ネットの書込みや某釣り紹介新聞に載った注意換気なき記事に影響されて軽い足取りで熊や自然の脅威の中へ遊びに来る方々が多くなったのだなと感じております。
    初心者の方々におかれましてはゴミの処理や危険回避の術を身に着けてからお越しください。
    また、世界遺産に格上げされ観光客でごった返す中、釣人を槍玉に挙げる一部の地元観光業の方々と話す機会が多々ありますが、不満な点はゴミ、車中泊、観光外なのでお金を落とさない。と、もっともな意見でございました。にしても、釣人に対する?誰にでも?対応は流石田舎の商店クラスだな。と思いますが。
    車中泊に関してはキャンプ場のキャパが少な過ぎるので仕方がありません。
    仕方無しに道の駅に車中泊すると、町の委託なる者に写真撮影されますね。
    気分が良くありません。
    観光客のキャパを考えずに良く世界遺産など招致しましたね。
    とも思いますが、クマとの接触を避けると市街地にて夜を過ごすより他ありません。
    これ以上釣りやアウトドアの場を失わないよう紳士的な行動に気を付けましょう。

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