カテゴリー  野生動物の調査対策

冬の間中、ヒグマの糞を洗って、内容物を分析しています

2019年の春~秋のシーズンには、知床財団ヒグマチームはヒグマの個体数推定のためのDNAサンプルを採集する目的で半島中に調査に出かけていましたが、実は、その調査で発見した糞はDNAサンプルを採取した後、内容物の分析をするために必要量を回収してきていました。

 

調査中に発見した糞

糞を回収する様子

糞を回収する様子

 

 

 

 

 

 

 

 

クマ類では食糧事情が悪い年に、餌を求めて行動圏が拡大し、人里への出没が増加する事例が報告されていますが、過去に知床でも2015年と2012年にヒグマの大量出没(捕殺)年がありました。

北海道立総合研究機構と北海道大学と今年度から共同で取り組んでいる調査では、大量出没に影響を与える鍵となるエサ資源(サケ・マス類?ドングリ?ハイマツ?他?)を明らかにするために、

①大量出没が起こった年のエサ資源の変化の特徴、例えばサケ・マス類の遡上の遅れがあったのか、それとも森のドングリが凶作だったのか、と

②知床全域のヒグマの利用資源、つまり半島内でもヒグマが暮らす地域によって食べ物は異なっているか、を把握していくこととなっています。

 そのために、半島中から設定した調査地のヒグマの糞を回収し、その内容物を分析することとなりました。回収してきた糞は軽く数百サンプル以上あるのですが、糞分析担当(夏の間はヘアトラップ調査担当)の職員が冬の間中、ヒグマの糞を洗って、ポイントフレーム法で内容物を確認しています。

この糞内容分析調査はなんとも細かく集中力がいる作業です・・・。

糞を洗っています

目視で内容物ごとにカウントしています

拡大写真

 

一日に何回もこの作業を繰り返しているS職員。

雪が融ける春までに、無事に作業が終わることを祈っています。

 

本年度(2019年度)から3年間の予定で、「遺産価値向上に向けた知床半島における大型哺乳類の保全管理手法の開発」と題し、北海道立総合研究機構と北海道大学、知床財団が共同で調査・研究に取り組んでいます。実施にあたっては(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費【4-1905】を活用しています。

具体的には、

より正確なヒグマの生息数推定にむけた研究          

②ヒグマ大量出没の要因解明に関する研究

ヒグマ捕食圧下におけるエゾシカの高密度維持機構に関する研究

の3つのテーマに取り組みます。

 

今後、活動ブログで順次、調査の様子などをお伝えしていきます。

(清成)

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アドバイザリーボード会議に出席しました

知床財団では、本年度(2019年度)から、環境研究総合推進費【4-1905】を活用して「遺産価値向上に向けた知床半島における大型哺乳類の保全管理手法の開発」と題し、北海道立総合研究機構と北海道大学と、共同で調査・研究に取り組んでいます。 

 

2019シーズンの知床半島全域にわたる現場での調査作業は11月には概ね終了し、調査の片付け作業も落ち着いたころ、今年度の取組と今後の展望を議論するアドバイザリーボード会議が札幌で開催されたので、知床財団も出席しました。

(※アドバイザリーボード会議とは、研究の途中段階で見識のあるアドバイザーを招へいして、研究の進め方等についてアドバイスをいただくための会議です。)

現場作業に携ったサブテーマ1サブテーマ3の現時点までの解析結果と今後の研究展望を伺うとともに、知床財団からはサブテーマ2「海と陸の物質循環に寄与するヒグマとサケ・マス類~ヒグマ大量出没の要因解明~」と題し、職員がプレゼンを行いました。サブテーマ2に関わる調査もいくつか財団で実施しています。

(リンク①:糞洗い

(リンク②:ドングリの豊凶調査、昨年実施のもの:同様の調査を今年は半島全域で予備調査しました。)

 会議は議論の末に無事終了し、知床に戻りました。

会議の様子

発表職員の憂鬱

(清成)

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フレペの遊歩道は11月30日より利用再開となります

11月27日にフレペの滝遊歩道内で利用者がヒグマに追跡される事例が発生し、遊歩道を全面閉鎖していました。

以後2日間、遊歩道内を調査しましたが、ヒグマの姿や足跡等の痕跡は確認されませんでした。関係機関との協議の結果、11月30日より遊歩道の利用を再開することとなりました。

遊歩道を利用される方は、ヒグマとの遭遇に注意して行動するようお願いします。

↓ヒグマ対処法についてはこちらをごらんください。

出会わないために

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フレペの滝遊歩道内でヒグマに追跡される事例が発生 Trekkers were chased by a brown bear at the Furepe Waterfall trail.

11月27日の11:30頃、フレペの滝遊歩道内で利用者がヒグマに追跡される事例が発生しました。

ヒグマは単独の亜成獣サイズで、遊歩道入口近くまで利用者のあとをついてきた後、去っていきました。

フレペの滝遊歩道は現在、緊急閉鎖とし、安全が確認されるまで閉鎖を継続します。今後の方針については関係機関と協議して順次お知らせします。

Trekkers were chased by a subadult brown bear at the trail of Furepe Waterfall today, Nov.27.

The trail will be closed for a few days for the safety of trekkers.

We will announce the reopening day of furepe waterfall trail later.

 

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守ってほしいルール

冬の訪れ

ヒグマの活動が落ち着き、冬が近づいてきたので国立公園内の道路脇に設置されていたヒグマ生息地看板が撤去されました。この看板は、毎年春~初冬の期間に環境省が設置しているものです。

 

ヒグマ看板

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒグマ生息地看板ってなに?

ヒグマ生息地看板には、知床を訪れる方に守っていただきたいヒグマとのルールが記載されています。

ヒグマに接近しない」「餌を与えない」というルールを皆さんに知ってもらい、守っていただくために設置されているものです。

 

守ってほしいルール

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この2つのルール。

決して難しいことが書かれているわけではありませんが、なかなか守られていません。

 

「ヒグマに近づかない」

ヒグマへの過度な接近をせず、距離を保ってください。

ヒグマはとても魅力的な野生動物のひとつですが、時と場合によっては私たちに牙をむきます。

基本的にはブラフチャージ(威嚇突進)で済む場合が多いですが、そうでない状況もありえます。

親子グマの場合、母グマが子グマを守ろうと、通常より攻撃的な行動をとることがあります。

皆さまにはヒグマを見ても我を忘れずに、適切な行動をするようお願いします。

 

「ヒグマなどの野生動物へ食べ物を与えない」

直接的にヒグマへ餌を与える行為だけではなく、生ゴミを投棄する行為もヒグマに食べ物を与えることと同じ行為です。

2019年9月23日岩尾別地区で発見した不法投棄ゴミ

ゴミの中身は食品関係

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人の食べ物の味を覚えたヒグマは人がいる場所にいけば野生下で食べている物よりも栄養価が高く、高カロリーな食べ物を容易に手に入れることができると学習してしまいます。

 

 

人の食べ物の味を覚えてしまったヒグマは、最終的にその命を奪われてしまいます。

 

エサやりがクマを殺す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悲しい物語をこれ以上増やさないで下さい。

ヒグマだけでなく、キツネなど他の野生動物に対しても絶対に餌を与えないでください。

道路上で餌をもらえることを覚えたキツネは、これまでの行動を変化させ、四六時中道路上に滞在するようになり、最終的に車に轢かれて死んでしまうリスクが上がります。

 

来年は人にとっても野生動物にとっても良い年になることを願っています。

(担当:村上)

 

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