カテゴリー  野生動物の調査対策

電気柵稼働開始

ヒグマが活動する季節になったため、ウトロ市街地の電気柵を順次稼働させています。


適切に設置された電気柵はヒグマの侵入を防いでくれますが、雪や倒木、雑草などに触れると漏電してしまい、電圧が著しく低下し、効果を無くします。

そのため、電気柵は設置から撤去するまでの間に何度も何度も電圧が落ちていないか確認する必要があります。

かなりの労力はかかりますが、ヒグマが市街地に侵入し、駆除せざるを得ない状況を無くすことができます。

ちなみに、電気柵に接触すると強いショックを受けますが(実体験)、流れる電気は基準に沿った安全なものを使用しています。

 

(知床財団 村上)

 

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冬眠から明けたヒグマの姿を初確認

知床で冬眠明けしたヒグマの姿を、今シーズン初めて確認しました。

斜里側の国立公園内で、鹿を捕獲するためのわなに仕掛けた自動撮影カメラに映りました。

 

撮影日時は3月12日です。年によって前後しますが、知床でヒグマが活動を開始するのは例年3~4月です。ヒグマの姿を初確認したのは、2015年は3月12日、2016年は3月5日、2017年は3月17日、2018年は4月2日、2019年は3月10日でした。今年の初ヒグマ情報は、”平年並み”と言えそうです。

 

これからの時期、野外で活動する際は、冬眠から明けているヒグマがいることを頭に入れておく必要があります。ヒグマ対処法については、こちらを参照ください。

知床のヒグマに関する情報は、「知床情報玉手箱」「知床のひぐま」サイトで随時発信しています。

 

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斜里町真鯉地区のエゾシカ日中カウント調査を実施しています

 知床半島ではエゾシカが高密度で生息しているため「知床半島エゾシカ管理計画」が策定され、関係機関による統一した管理が行われています。管理計画の実施項目の一つに主要越冬地でのエゾシカの生息動向を把握していくモニタリング調査があります。

 半島西側の基部寄りの斜里町真鯉地区はエゾシカの主要な越冬地となっていますが、行政が行う調査対象地区からは外れているため、私たち知床財団が独自でエゾシカの日中カウント調査を行っています。

 調査は2007年から継続して実施しており、1~3月の冬期に複数回、海岸沿いの国道上から山側の道路法面に出没しているエゾシカを確認し記録していきます。下の表は、シカ年度(6~翌5月)別最大確認頭数の年度推移です。

 

 

 

 

 

 

 

 この調査では年々、エゾシカの確認頭数が減少していますが、昨年(2018シカ年度)は3月下旬に110頭が確認され、2012年以来の増加となりました。調査で確認されるエゾシカ数の増減には、知床世界遺産地域の隣接地域の管理事業として実施されているエゾシカの個体数調整や狩猟等の影響が関係していると考えられます。

 先日の調査では、約12㎞のコースで計9頭のエゾシカを確認しましたが、例年3月に多くのエゾシカが確認されるので、今年の結果はどうなるでしょうか。双眼鏡でシカをカウントする調査員をのせた車が停車していても温かく見守っていただければと思います。

調査をしている斜里町真鯉地区

調査中に発見したエゾシカ

双眼鏡でエゾシカを数える調査員

※この調査では、カールツァイス社様からご寄付いただきました双眼鏡を使用しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(清成)

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冬の間中、ヒグマの糞を洗って、内容物を分析しています

2019年の春~秋のシーズンには、知床財団ヒグマチームはヒグマの個体数推定のためのDNAサンプルを採集する目的で半島中に調査に出かけていましたが、実は、その調査で発見した糞はDNAサンプルを採取した後、内容物の分析をするために必要量を回収してきていました。

 

調査中に発見した糞

糞を回収する様子

糞を回収する様子

 

 

 

 

 

 

 

 

クマ類では食糧事情が悪い年に、餌を求めて行動圏が拡大し、人里への出没が増加する事例が報告されていますが、過去に知床でも2015年と2012年にヒグマの大量出没(捕殺)年がありました。

北海道立総合研究機構と北海道大学と今年度から共同で取り組んでいる調査では、大量出没に影響を与える鍵となるエサ資源(サケ・マス類?ドングリ?ハイマツ?他?)を明らかにするために、

①大量出没が起こった年のエサ資源の変化の特徴、例えばサケ・マス類の遡上の遅れがあったのか、それとも森のドングリが凶作だったのか、と

②知床全域のヒグマの利用資源、つまり半島内でもヒグマが暮らす地域によって食べ物は異なっているか、を把握していくこととなっています。

 そのために、半島中から設定した調査地のヒグマの糞を回収し、その内容物を分析することとなりました。回収してきた糞は軽く数百サンプル以上あるのですが、糞分析担当(夏の間はヘアトラップ調査担当)の職員が冬の間中、ヒグマの糞を洗って、ポイントフレーム法で内容物を確認しています。

この糞内容分析調査はなんとも細かく集中力がいる作業です・・・。

糞を洗っています

目視で内容物ごとにカウントしています

拡大写真

 

一日に何回もこの作業を繰り返しているS職員。

雪が融ける春までに、無事に作業が終わることを祈っています。

 

本年度(2019年度)から3年間の予定で、「遺産価値向上に向けた知床半島における大型哺乳類の保全管理手法の開発」と題し、北海道立総合研究機構と北海道大学、知床財団が共同で調査・研究に取り組んでいます。実施にあたっては(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費【4-1905】を活用しています。

具体的には、

より正確なヒグマの生息数推定にむけた研究          

②ヒグマ大量出没の要因解明に関する研究

ヒグマ捕食圧下におけるエゾシカの高密度維持機構に関する研究

の3つのテーマに取り組みます。

 

今後、活動ブログで順次、調査の様子などをお伝えしていきます。

(清成)

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アドバイザリーボード会議に出席しました

知床財団では、本年度(2019年度)から、環境研究総合推進費【4-1905】を活用して「遺産価値向上に向けた知床半島における大型哺乳類の保全管理手法の開発」と題し、北海道立総合研究機構と北海道大学と、共同で調査・研究に取り組んでいます。 

 

2019シーズンの知床半島全域にわたる現場での調査作業は11月には概ね終了し、調査の片付け作業も落ち着いたころ、今年度の取組と今後の展望を議論するアドバイザリーボード会議が札幌で開催されたので、知床財団も出席しました。

(※アドバイザリーボード会議とは、研究の途中段階で見識のあるアドバイザーを招へいして、研究の進め方等についてアドバイスをいただくための会議です。)

現場作業に携ったサブテーマ1サブテーマ3の現時点までの解析結果と今後の研究展望を伺うとともに、知床財団からはサブテーマ2「海と陸の物質循環に寄与するヒグマとサケ・マス類~ヒグマ大量出没の要因解明~」と題し、職員がプレゼンを行いました。サブテーマ2に関わる調査もいくつか財団で実施しています。

(リンク①:糞洗い

(リンク②:ドングリの豊凶調査、昨年実施のもの:同様の調査を今年は半島全域で予備調査しました。)

 会議は議論の末に無事終了し、知床に戻りました。

会議の様子

発表職員の憂鬱

(清成)

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