活動報告BLOG

ヒグマ被害を未然に防ぐために

5月28日に羅臼町八木浜町内会が草刈りを行いました。
今年はこういった草刈りが羅臼町内の10町内会で行われる予定でいます。
羅臼町は海岸沿いに住宅が建ち並び、そのすぐ裏手はヒグマの棲む森となっています。
そのため、元々住宅地にヒグマが出やすい環境だということは否めません。
せめてヒグマがなるべく近寄らない環境にしようということでこの活動が始まりました。
知床財団は、ダイキン工業株式会社様からの支援を受け、これらの草刈り行事に協力しています。

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100平方メートル運動地 春の森づくり!

実施日:5/15(金),16(土),17(日)

100平方メートル運動の森づくりでは、毎年春に広葉樹を植樹しています。今年は、昨年間伐をしたアカエゾマツ造林地の中に広葉樹を植樹しました。運動地にあるアカエゾマツ造林地を知床本来の森に近づけるため、昨年から大規模な間伐を行っています。

間伐後のアカエゾマツ造林地。広葉樹林の近くに自然かく乱を模した四角いギャップをつくりました。ギャップ内の植生回復は種子散布により進行し、造林地内は徐々に樹種多様な環境へ変化します。

間伐後は徐々に植生が回復しますが、そこに広葉樹を植樹することで、植生の回復をさらに促進させることができます。しかし、エゾシカの生息地に広葉樹を植樹することは簡単ではありません。

エゾシカは広葉樹の枝葉や樹皮を食べるため、食べられないように工夫する必要があります。

まず、植樹に用いる苗木の樹冠はエゾシカが届かない高さにあることが重要です。また、エゾシカが好む樹種を植える場合は、樹皮を守るネットを巻くことで被食対策を万全にします。反面、エゾシカがあまり興味を示さない樹種もあるので、それらを取り入れることも一つの方法です。

このように広葉樹の植樹は手間がかかりますが、開拓跡地に自然を回復させる有効な手段として実践しています。

ミズナラに樹皮保護ネットを巻きました。ミズナラの樹皮は、エゾシカが積極的に食べるものではありませんが、稀に食べられてしまうため、念のため巻きます。確実に苗木を育てるためには、現在もエゾシカ対策は欠かせません。

例年は、森づくりを応援してくださる皆さまと一緒に植樹作業を行っています。しかし今年は、新型コロナウィルス拡大防止対策に伴い、少数の職員で植樹を実施しました。

100平方メートル運動の森づくりは、知床の自然を回復させると共に、自然を大切に想う人々が集い語らう場です。森づくりを通して感じたことをきっかけに、各々が地球環境に貢献するためにアクションを起こしています。そんなすてきな繋がりを増やすためにも、私たちはこれからも100平方メートル運動の取り組みや森づくりの魅力を広く共有したいと考えています。そして、知床の森で皆さんとお会いできる日を心から楽しみにしております!

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地域の皆様と「クマ活」!

5月21日、22日と2日間かけてウトロの街中の草刈りを斜里町ウトロで宿泊業を営む、北こぶしグループ様とともに実施しました。

北こぶしグループ様は今年で60周年を迎えるとのことで、この記念すべき年を機に、
「知床をつづけていく」活動へ着手し、地域の課題を解決していくために今なにが必要か、
私たち知床財団にお声がけいただき、以前から一緒に打合せを続けて参りました。

そこで活動のひとつとして挙がったのが名付けて「クマ活」、草刈り作業です。
たかが草刈り、されど草刈り。草刈りがどうして今、知床に必要なのか。
一見すると「景観上よくないからね」「街をきれいにするためでしょ」などというご意見が聞こえてきそうですが、ここ知床の市街地では草刈りが人にとってもヒグマにとっても死活問題につながるのです。

知床、ウトロの街はまわりをぐるっと一周電気柵で囲まれていて、人の生活圏とエゾシカやヒグマとの境界線を作っています。ただし、これは100%の境界線にはならず、海側はもちろん開いていますし、川を伝ってヒグマに街中に入られてしまうこともあります。
一度柵の中に入り込んでしまったヒグマを外に追い立てるのは中々大変。
笹薮の中にひとたび潜り込もうものなら、姿は全く見えなくなり、どこへ行ったのか、我々対策スタッフもお手上げになることもあります。
さらには藪の中を体を隠しながら進み、知らぬ間に民家のすぐ裏までヒグマが近づいてしまう危険な事態にもなりかねません。
市街地の中にヒグマが入り込み、危険な状態だと判断した場合、最悪ヒグマを捕殺することもあります。

そこで、草刈りをして市街地の中の見通しをよくし、ヒグマに隠れられないようにしておくことが
人の生活の安全を、そしてヒグマの命自体を守るためにも、とても大切なのことなのです。

 

作業と草刈りの意義を説明するクマ対策スタッフ。

背丈を超える高さの笹にも立ち向かいひたすら刈る。

手刈り用の刈込ばさみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

2日間でのべ70人もの北こぶしグループの職員の方々が現場で一生懸命、しかも手で、草刈りを行ってくれました。おかげで目標だった場所の草刈りは全て終了、すっきりくっきり周囲が見渡せるようになりました。
北こぶしグループの皆様、本当にありがとうございました。

「ヒグマと人を守る」ため、草刈り活動はこれからも続いていきます。

 

ちなみに、
事務所に帰り、午後からパソコンに向かってマウスを動かす私の手は
はさみを握り続けたおかげでプルプルと震えておりました…(笑)。
参加者の皆様、大変お疲れさまでした!

 

 

 

 

 

 

 

 

(担当:山本)

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SEEDS編集部が選ぶ、この記事面白かった!③

当財団の活動を支援してくださっている賛助会員の皆様向けに年4回発行しているSEEDS(シーズ)のバックナンバーの中から、SEEDS編集部が面白かった!と思う記事を編集部が独断で選び、ご紹介します。

2009年春号No.202「スタッフの本棚 第1回」

スタッフお気に入りの1冊を紹介するこのコーナーは、本とともにスタッフの素顔を知っていただけるコーナーとしてSEEDSがオールカラー化して11年、途中休みを挟みながらも好評の声をいただき通算27回続いてきました。今回は「スタッフの本棚」の第1回目をご紹介します。


■アラン・ラビノウィッツ著
JAGUAR(ジャガー)

 ラビノウィッツは、私のヒーローである。いや、「であった」いう方が正しい。彼が死んだから過去形というわけではない。私が変わったからである。

 彼はアメリカクロクマの研究で博士号を取り、動物学者としてのキャリアを始めた。あのジョージ・シャラー(知らない人は調べてください)と出会い、中南米のベリーズでジャガーの調査を進めることになる。数々の困難を経て、彼の仕事は野生動物保護区の創立という実を結ぶ。 

 よくある冒険家の成功譚と思うかもしれない。確かにこの手の本は多い。しかし、この本はその質の高さで凡百の冒険ノンフィクションとは一線を画する。 もっとも、この本を手にした当時、青年海外協力隊で不完全燃焼した後に渡米し、野生動物管理学の修士課程にいた私は、熱帯で4年間過ごした過去の自分と、動物学者である未来の自分を作者にダブらせ、憧れと羨望を感じながら読んだ。そんな私は、この本を客観的に批評する立場にないだろう。この先も主観的に続けさせてもらう。

 私はこの本に惚れ込んだのが高じてこの本の翻訳を試み、2~3の出版社に売り込んだことがある。話に乗ってくれる編集者もいたが、もう一歩で実現には至らなかった。

 今思えば、この本を日本で売るにしろ、素人の私を翻訳者として抜擢することはまずあり得なかったろうが、気の早い私は、「訳者あとがき」の内容まで考える脳天気ぶりだった。私はこの本を、日本の動物学者とその卵たちへ読ませて、「どんどん世界へ飛び出せ!」とけしかけたかった。そして、その頃の私は、熱帯生態系の保全のため、東南アジアに骨を埋めることを夢見ていた。

 ラビノウィッツは、このあとその東南アジアに活躍の場を移し、希少哺乳類の保全と研究の第1人者として成長し、円熟していく。彼はその過程を4冊(Jaguarを含む)の本にしている。2冊目までは前と同じように、血が騒ぐ思いで読んだ。3冊目になって、もはや彼の生き方に、自分の生き方を重ねられなくなっている自分に気がついた。単純に研究者としてケタ違い、比較にならんだろ、というツッコミが聞こえる。しかし、自分の人生の目的、夢が、以前とは質的に変わってきたためだろうとも思う。また、これが年をとるということか、とも思う。10年以上、彼の後ろを歩いているつもりでいたが、彼と私の進む道はいつの間にかずいぶんと離れてしまったようだ。

 それでも彼が私のヒーローであったことに変わりはないし、この本は今でも大事な1冊である。


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春の100平方メートル運動地

知床にもようやく春が訪れ、日に日に緑の濃さが目に見えて増していくような毎日です。

ただ、今年は、新型ウイルス感染拡大に伴い、森づくりワークキャンプやボランティアなど100平方メートル運動のイベントも開催できない状況となっており、昨日は、夏の知床自然教室も中止とする判断をさせていただきました。

そんな中でも季節は進んでいきます。

いつもお手伝いをしていただくボランティアの皆さんの
お力添えや何十年かぶりに自然教室の子どもたちの声の
ない夏がくることになってしまいましたが、これからも
たくさんの皆さんからのご支援をいただける場所であり
続けられるよう、今年も日々務めていきたと思います。

(担当:松林)

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