活動報告BLOG

冬期「森づくりボランティア」活動報告

実施日:2/8(土),2/9(日),2/15(土),2/16(日)

伐採木の運び出し作業。雪上での作業はとてもハードです。

100平方メートル運動の森づくりは、冬期もボランティアさんの協力を得て作業を行っています。この冬は、アカエゾマツの間伐作業を中心に行いました。
作業対象地は、植樹後15年~20年経ったアカエゾマツの植樹地です。植樹地のアカエゾマツは順調に生育していますが、アカエゾマツのみが育つ単調な環境になっています。この植樹地を知床本来の森に近づけるためには、間伐作業が必要です。アカエゾマツを適度に伐ることで林内が明るくなり、徐々に多様性の高い環境に変化し、やがて広葉樹と針葉樹が混ざり合う、知床らしい森に変わっていくことが予想されます。

 

この日、気温は終日−10度以下。極寒での活動、お疲れさまでした!

間伐は、ノコギリを使用した伐採や伐採木の運び出しが主な作業です。雪上での作業は重労働になりますが、道内外からのべ22名のボランティアさんが集い、間伐作業にご協力いただきました。また作業期間中は、吹雪や気温が-15度まで下がる厳しい環境下の活動日がありました。そんな中でも、快く作業にご参加下さった皆さま、本当にありがとうございました。この場を借りて心より御礼申し上げます。

100平方メートル運動の森づくりは、皆さまのご支援で実現しています。

 

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羅臼ブログ第6回「羅臼が誇る高級食材」

 いつも土屋の羅臼ブログを読んで「いいね!」やコメントまでしていただき、ありがとうございます。実はとても励みになっています!今回はブログで好評になりやすい食べ物ネタです。先日、ウニの加工場を見学させてもらい色々な話を聞けたので、羅臼のウニについて紹介したいと思います。

 羅臼で獲れるウニは、エゾバフンウニ(蝦夷馬糞海胆)といい、名のごとく馬糞のような形をしており、棘は短く10㎝前後の大きさに育ちます。味はもちろん絶品で、口に入れると思わず笑みがこぼれるほど濃厚で甘く、うまみがつまっています。羅臼産のウニは、良い出汁が出ることで有名な羅臼昆布を餌として食べているから美味しいとされており、高級食材として扱われています。

羅臼で獲れるエゾバフンウニ

 ウニ漁は、磯舟の上から箱メガネで海をのぞき、見つけたウニを網ですくう方法が一般的で1月中旬~6月下旬まで続きます。浅瀬で漁がおこなわれるので羅臼の町から見ることができます。資源管理のためウニ漁師1人につき、1日に規定のカゴにすりきり1杯までしか獲ってはいけないルールが決まっており、昼頃までに漁は終わることが多いそうです。午後には漁師自らウニを加工し、出荷します。ウニは柔らかく繊細なためすべてが手作業です。ピンセットでゴミを取り除き、ウニによってわずかに違う色合いを選別していました。私が見学した作業場では10種類以上の色わけがされていました。オリ箱に詰めた際、見た目の良いグラデーションにするためだそうです。殺菌と身崩れ防止でミョウバンにつけてある「折ウニ」と、水につけてある「塩水ウニ」の2種類が主に作られていました。

ウニ漁の様子。箱メガネで海をのぞいて、たも網でウニをすくっている。

ウニの殻は口の方から専用器具で割っていました。
ウニは体の下に口があり、てっぺんに肛門があります。


色とサイズごとに選別し、ゴミを取り除いている繊細さが求められる作業。

我々が食べているのはウニの生殖巣(精巣または卵巣)です。一つのウニに5つ入っています。

 羅臼ではこのウニを購入できる場所がいくつかあります。道の駅「知床・羅臼」の建物に入っている羅臼漁業協同組合の直営店「海鮮工房」もその1つです。観光客はもちろんのこと、町民も購入する人気のお店です。天候や海の状況によってウニが取れず、店頭に並ばない日もありますが、漁期の間に羅臼に来た際はぜひ食べてもらいたい一品です。ちなみに私のおすすめは塩水ウニです。濃厚で甘い素材の味を一番楽しめると思います。

 よくある話かもしれませんが、私はウニが得意ではありませんでした。しかし、羅臼産の美味しいウニを食べてから好きになりました。ウニが苦手な方も挑戦してみてはいかがでしょうか?もしかしたら大好物になるかもしれませんよ。

羅臼漁協直営店で販売しているウニ。左が「折りウニ」右が「塩水ウニ」
値段は時価です。おおよそ、1つ2000~3500円くらいです。

 

 

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斜里町真鯉地区のエゾシカ日中カウント調査を実施しています

 知床半島ではエゾシカが高密度で生息しているため「知床半島エゾシカ管理計画」が策定され、関係機関による統一した管理が行われています。管理計画の実施項目の一つに主要越冬地でのエゾシカの生息動向を把握していくモニタリング調査があります。

 半島西側の基部寄りの斜里町真鯉地区はエゾシカの主要な越冬地となっていますが、行政が行う調査対象地区からは外れているため、私たち知床財団が独自でエゾシカの日中カウント調査を行っています。

 調査は2007年から継続して実施しており、1~3月の冬期に複数回、海岸沿いの国道上から山側の道路法面に出没しているエゾシカを確認し記録していきます。下の表は、シカ年度(6~翌5月)別最大確認頭数の年度推移です。

 

 

 

 

 

 

 

 この調査では年々、エゾシカの確認頭数が減少していますが、昨年(2018シカ年度)は3月下旬に110頭が確認され、2012年以来の増加となりました。調査で確認されるエゾシカ数の増減には、知床世界遺産地域の隣接地域の管理事業として実施されているエゾシカの個体数調整や狩猟等の影響が関係していると考えられます。

 先日の調査では、約12㎞のコースで計9頭のエゾシカを確認しましたが、例年3月に多くのエゾシカが確認されるので、今年の結果はどうなるでしょうか。双眼鏡でシカをカウントする調査員をのせた車が停車していても温かく見守っていただければと思います。

調査をしている斜里町真鯉地区

調査中に発見したエゾシカ

双眼鏡でエゾシカを数える調査員

※この調査では、カールツァイス社様からご寄付いただきました双眼鏡を使用しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(清成)

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クマ端会議、今年も開催しました。

開催日:2020年2月7日(金)@ウトロ、8日(土)@斜里市街地

私たち知床財団スタッフと地域の方々がヒグマについてざっくばらんに語り合う「クマ端(ばた)会議」を今年も開催しました。
今シーズンの斜里町でのヒグマの出没状況はどんな状況だったのか、ヒグマとうまく知床で暮らしていくためにどうしていけばいいのかをお茶を囲みながら地域の皆さんと意見交換しました。

2/7(金)@coffee albireo

 

ウトロでの開催は今回で7回目、斜里市街地での開催は3回目になります。
ウトロの回ではヒグマ状況に加え、昨年町内に新設したヒグマ対策ゴミステーション「とれんベア」をご紹介しました。斜里市街地開催の回では町外からのご参加もあり、今年話題となった札幌など市街地でのヒグマ出没を交えながら、盛んな質疑が飛び交いました。

2/8(土)@しれとこくらぶ

このクマ端会議は日ごろヒグマ対策に当たっている私たちスタッフと地域の方々が直接意見交換できる大切な場です。
私たちがどんな思いでヒグマ対策にあたり、なにを目指しているのか。
そして、地域の方々はヒグマと暮らしていることにどのような思いや心配事があるのか。
これから先も知床に住む私たちとヒグマが共存してうまくやっていくために、「クマ端会議」は今後も続けていきたいと思います。

(今年度は12月に羅臼でも初めて開催しました。詳しくはコチラ

また、今回の開催のため冬季休業中にもかかわらず臨時オープンしていただいたcoffee albireo様(@ウトロ)、そして3年連続でご協力いただいているしれとこくらぶ様(@斜里)にはこの場を借りて、御礼申し上げます。

(担当:田中)

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羅臼ブログ第5回「今年も来ています」

 令和2年となりました。今年も羅臼から土屋のブログをお届けしますので、みなさまよろしくお願い致します。

 年が明けて寒さが一段と厳しくなってくると、オホーツク海から流氷が、風と海流で北海道に押し寄せてきます。羅臼沖の根室海峡に流氷が流入してくるのもそろそろ時間の問題でしょう。オオワシやオジロワシは餌をとるために、アザラシ類は繁殖のために流氷とともにやってきて、羅臼の町も観光客で少し賑やかになります。トドも来ますが、彼らは実は流氷が嫌いです。流氷を避けるように回遊しています。今回は流氷が来ると羅臼の海から逃げていってしまうトドを紹介したいと思います。

 トドは、私たちと同様に魚介類が大好物で、大きなオスだと体重1トンにもなるアシカの仲間の海生哺乳類です。一時大幅に減少し、1990年代にはレッドデータブックで「絶滅危惧種」に指定されました。その後生息数は回復し、北太平洋東部の個体群は危険度ランクが下がりましたが、羅臼の海にやってくる西部の個体群はいまだ絶滅危惧亜種のまま据え置かれています。

 根室海峡では、彼らは越冬や採餌のために毎年11月ごろから来遊します。海岸近くの浅瀬でプカプカと波間に浮いているのがしばしば見られます。仲良く並んでヒレを海面に上げていることもあり、さながら東京2020で日本のメダルが期待されているアーティスティックスイミングみたいです。そんな穏やかな姿を見せてくれる反面、大食漢で漁網にかかった魚を食べ、網を破いてしまうこともあり、漁業者からは嫌われ者です。そのため、羅臼沿岸では、追い払いや銃による駆除(頭数制限あり)などの対策がされています。

プカプカと波間を浮いているトド。

 一方、世界自然遺産の審査を任されている機関(IUCN)からは、登録準備の段階から「有害駆除は考えなおすべき」とのきびしい勧告が出され、一時は漁業者の反発で遺産登録が危うくなったこともありました。その後、今に至るまで、保全状況の報告を上げる度にユネスコ世界遺産委員会やIUCNから対策の見直しを求める意見が出され続けています。陸ではヒグマやエゾシカ対策、海ではトド対策と、羅臼は人と野生動物の軋轢を多く抱えたたいへんな町だということを改めて実感しています。

 私たち知床財団は、羅臼沿岸のトドの数を定期的にカウントしながら、生まれた島や年齢がわかる標識(幼獣の頃にロシア人研究者がつけたロシア文字と数字の焼き印)のついたトドを12年間にわたり記録し続けています。毎年、多い日には100頭以上が羅臼沿岸で遊泳していることや、8年連続で羅臼に来ているトドがいることもわかってきています。今年も流氷が接岸して、トドが去って行く頃まで調査を実施する予定です。

ドローンから撮影したトドの群。陸上からの観察ではなかなか頭数確認が難しいが、水面下も含めて21頭が確認できる。写真下方の中央付近の個体には標識(C801)が見える。

 実は私、この調査には知床財団に入る前の大学生の時(2008年)から参加しています。かつての私はこの調査のために、そしてトドは越冬と魚を食べるために、お互い異なる目的でこの時期に羅臼を訪れていましたが、いつの間にか私は羅臼の住民となり、トドを迎える立場となりました。数年前に確認した標識個体を見つけると「今年も羅臼の海に来たのだな」と双眼鏡越しに懐かしい気持ちになりつつ、「漁師の人たちに面倒をかけるんじゃないぞ」と複雑な気持ちになります。

 人間とトドのうまい付き合い方はあるのでしょうか。最近の観光船やダイビングガイドツアーによるトドウォッチングは、彼らとの新たな関係作りのきっかけになるかもしれません。私たちが継続して収集した調査データが、軋轢の解消に少しでも役立つ情報になることを願っています。


ならんで泳ぐ標識個体(Б745、Б61)

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