みんなで持ち寄る「シレトコのコト」第3回羅臼会場レポート
1月17日(金)は「第3回みんなで持ち寄る シレトコのコト」が羅臼会場で開催されました!
「第2回 みんなで持ち寄る シレトコのコト」については、下記のリンクからご確認いただけます。
斜里会場 https://www.shiretoko.or.jp/report/2024/12/8330.html
ウトロ会場 https://www.shiretoko.or.jp/report/2024/12/8356.html
羅臼会場 https://www.shiretoko.or.jp/report/2024/12/8385.html
今回のワークショップでは、前回までに言語化した「知床の価値や魅力」をベースに、地元の住民目線と来訪者目線を意識して短いストーリーを作りました。
羅臼会場では①【衣・食・住(四季)】自然と暮らしが密接、②【自然】生物の多様性、③【伝統文化】漁師と猟師の文化と食、【地理地形】急峻な地形、の4班に分かれ、課題に臨みました。
ファシリテーターの初海さんからの
「唯一無二の魅力を、いかに来訪者に伝えるかを意識してください」
との言葉を合図に、各班一斉に取り掛かりました。
今回のワークショップは、はじめに班内でキーワードを出し合い、最後に短いストーリーにまとめたものを、各班の代表が発表するという流れです。
~「衣・食・住(四季)」自然と暮らしが密接チームの様子~
「衣・食・住」はテーマが幅広いため、たくさん意見が出すぎてケンカになるのでは!?というほど白熱しました。短いストーリにまとめるのは困難を極めましたが、前回までのワークショップで出た文章からヒントを得て、次のようなショートストーリーが生まれました。
-オホーツク文化から変わらず続く暮らしと、厳しい自然と複雑な地形が育てる海と山の食材。その時々を楽しめるところ。だから、また行くの。-
~「自然」生物の多様性チームの様子~
こちらの班では、豊かな生態系が織りなす大自然から、「生の実感」にスポットが当たり、次のようなストーリーが出来上がりました。
-陸(ヒグマ)・海(シャチ)・空(オオワシ)の王者が集う、世界に誇る豊かな生態系の循環の中で、自分を知り、生の実感を得る。-
また「観光船に乗ることで彼らに出会うことができる」という、来訪者目線に立った体験場所の具体的な紹介もありました。
~「伝統文化」漁師と猟師の文化と食チームの様子~
食チームでは「『美しい自然や美味しいもの』は他の地域にもあるよね」という話から、知床らしい唯一無二の魅力について追及した中で、「血の匂い」というキーワードが光りました。
スーパーに売っている魚や、レストランで美しく盛り付けられる前にこそ、命のストーリーがある。そんな唯一無二を来訪者に体験してもらう事で、命そのものを味わってもらえるのではないか、という意見もあり、次のようなストーリーが生まれました。
-厳しい自然の中で、漁師と猟師が潮の匂い、血の匂いにまみれ、それを生業として生きている。そこには長い時間をかけて紡がれてきた誇りがあるから。羅臼に滞在することで、命を五感で味わうことができる。-
~「地理地形」急峻な地形チームの様子~
「地理地形」のチームでは、「知床の地形は、画面の中や写真で満足せず“わざわざ行ってみよう!”と人に思わせるエネルギーを持っているのではないか」「ルシャモン(ルサのっこしから吹き降ろす暴風)は浴びた者にしか語れない」などの意見から、次のような物語が紡がれました。
-知床では、ルサの強風のような極端な天候と海と川が近い特徴的な地形がある。そこに直接足を運び、自分で体感したものは、写真や絵を眺めるだけでは得られないものだ。-
こうして、3回にわたるワークショップは住民たちの熱い思いと共に幕を閉じました。羅臼会場の特徴は、何と言ってもリピーターの多いことと地域愛の深いこと!あまりに真剣なので、最終回の今回も時間が足りず、初海さんに延長を求める声が相次ぎました(笑)。
今回のワークショップから生まれたストーリーは、何らかの形をもって地域の皆さまにお返しし、来訪者の方にもより魅力が伝わるよう、さらにブラッシュアップされていく予定です。
これからも地域の皆さまと力を合わせながら、知床の魅力を伝えていきたいと思います。
これまでワークショップにご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!
※本業務は、環境省からの委託事業として知床財団が運営、実施しております。