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不法投棄が絶えぬ世界遺産Part2

2020年5月に「不法投棄が絶えぬ世界遺産」というタイトルでブログを書きましたが、今回はその続編です。

相変わらずゴミの不法投棄(ポイ捨て)が無くなりません、それどころか増えている印象です。

はっきり言うと、めちゃくちゃです。

全てを紹介すると、キリがないため、ピックアップしたものを時系列で紹介します。

 

(1)2020年7月26日

   場所:岩尾別温泉道路

   投棄物:茹でたエビの殻


茹でたエビの殻。


 

(2)2020年8月11日

   場所:フンベ川周辺

   投棄物:中身の入った納豆、釣り餌・ペットボトル、たばこの吸い殻

 

釣り餌。

中身の入った納豆。


 

(3)2020年8月22日

   場所:知床横断道路

   投棄物:チャーハン、バナナの皮、ジュース、タバコなど


チャーハン、バナナの皮など。


 

(4)2020年8月25日

   場所:金山川周辺

   投棄物:カップめんの容器、ペットボトル、缶

カップ麺の容器。

回収したゴミ(45Lゴミ袋4つ分あった)。


 

(5)2020年8月26日

   場所:岩尾別温泉道路

   投棄物:食品包装紙やペットボトルなど

食品包装紙やペットボトルが散乱。


 

(6)2020年8月28日

   場所:オチカバケ川周辺

   投棄物:腐った釣り餌、中身の入ったジュース、ビール缶、タバコなど

腐った釣り餌、中身の入ったジュース

ビール、タバコなど。

回収したゴミ(45Lのゴミ袋4つ分あった)。


(7)2020年8月30日

   場所:知床国立公園内、自然センターから五湖へ向かう道路上

   投棄物:おにぎり

投棄されたおにぎり。


 

(8)2020年9月3日

   場所:フンベ川、三段の滝、遠音別川

   投棄物:中身の入った納豆、釣り餌・ペットボトル、たばこの吸い殻、マスの内臓(※釣った人に注意をして回収してもらった)

マスの内臓。川の中に捨てられていたため一カ所に集めた様子。

45Lゴミ袋5つ分。


ゴミの投棄は、ヒグマをはじめとした野生動物への餌付けです。

そもそも野生動物がいるいないに関わらず、犯罪です。

ヒグマが餌付けば、人身事故につながり、最悪命を落とす人が出てきてしまいます。

その場合、ヒグマは駆除されるでしょう。

そして、利用者のモラルが改善されなければ、今後もこの繰り返しです。

これが世界自然遺産なのでしょうか。

(知床財団 村上)

 

 

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【知床ヒグマ対策連絡会議より発信】知床世界自然遺産地域境界におけるヒグマの捕獲について

 2020年8月24日(月)午前11時18分頃、斜里町字岩尾別(幌別川河口付近)において、推定年齢3-4歳の若いオスグマ1頭を捕殺しました。

 このヒグマは7月31日に幌別川河口で釣り人の釣った魚を奪った個体(19MS01)であり(DNA分析により確定)、人に対する警戒心は極めて弱くなっていました。人の近くに行けば容易に食べ物が手に入ると学習していたものと考えられます。きわめて危険なため7月31日以降、幌別川河口を立ち入り禁止とし、経過を観察していましたが、このヒグマは日中、幌別川河口の海岸を徘徊、道路や建物近く、漁業者の作業場に出没して人に接近するなどの行動を繰り返しました。また、人が見ている目の前で係留中の漁船に乗り込むような行動も確認されました。

 さらに、糞や毛などを用いたDNA分析結果から、2020年3月にフレペの滝遊歩道で、追いかけるように利用者に接近してきたヒグマと同一個体である可能性が高いことが明らかになっています。

 

 現状で物的被害や人的被害は確認されていませんが、住宅地も近く、今後の行動改善も期待できないと判断、関係行政機関が定めた「知床半島ヒグマ管理計画」に基づき、捕獲もやむなしとの判断に至り、当該個体を8月24日に捕殺しました。

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8月18日硫黄山登山道において、ヒグマが荷物を物色する事例が発生しました。

2020年8月18日、硫黄山登山道において、利用者が一時的に残置した荷物(ザック)をヒグマに物色される事例が発生しました。

 

知床は高密度にヒグマが生息する場所です。

このような場所で荷物を残置してしまうと、ヒグマやキタキツネを誘引してしまいます。

そして、ヒグマが荷物の食料に餌付いてしまうと、全ての人が危険にさらされます。

登山をされる方は必ず以下を守ってください。

〇休憩の間も荷物からは目を離さずに行動すること

〇ゴミは必ず持ち帰ること

 

 

 

また、フードロッカーに荷物のデポや生ゴミを放置するのはやめてください。

フードロッカーは、利用者の食べ物をヒグマやキツネなどの野生動物から守るために設置されたものです。

フードロッカー


頂上を目指す際にザックをデポ、生ゴミを入れて放置、携帯トイレを入れるなどの迷惑行為はしないでください。

本来の正しい目的で使用したい人達が利用できなくなってしまいます。

ルールを守ってご利用ください。

 

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おやすみヒグマ~野生のヒグマの睡眠とは~

環境研究総合推進費を活用したヘアトラップ調査を実施していますが、ヘアトラップ木を観察する自動撮影カメラも同時に仕掛けています。

本来は、ヘアトラ木からサンプルとして回収した毛をDNA解析にかけるにあたり、何頭のヒグマがヘアトラ木を訪れているか、ヘアトラ木のどのあたりで背擦りをしているか、確認し解析に役立てるためのものなのですが、半島中に60箇所以上仕掛けられていることもあり、驚きの映像が数多く撮影されています。

 

そのひとつを今回はご紹介します。

国立公園内のとある調査サイトでオスのヒグマが夜間に睡眠(!)をとっていました。

 

7/8  夜20:43    横になって寝ている姿から撮影開始

横になったり、寝返りをうったり、お腹をだしてあおむけになったり、足を伸ばしてみたり・・・ひたすら寝ている

7/9 早朝4:31   起きてヘアトラ木に背擦りして撮影終了

 

睡眠時間はなんと約8時間でした。

調査で使用する自動撮影カメラはセンサーで動く生き物を感知し撮影を開始します。ヒグマの寝姿を撮影した動画ファイルは36本ありましたが、30分や1時間近く撮影がとぶこともあり、その間、このヒグマは微動だにせず寝ていたものと思われます。

年配の男性を想像させる寝姿は、なんというかヒグマを身近な生き物に感じさせてくれます。知床で長くヒグマに接してきた職員も初めて見た!と驚くヒグマの寝姿、貴重な映像となりそうです。

 

ヒグマの調査の思わぬ副産物のご報告でした。

就寝(夜20:43)

足を上げて寝ています(夜中01:41)

寝起きの背擦り(早朝4:31)

 

追伸)

調査を継続していると・・・7月21日にも同じ場所で寝ているヒグマがいました。(同じ個体かは不明ですが、睡眠時間は3時間ほど)。調査地点を寝床にしまったのかもしれません。

また足を投げ出して寝ている
・・・

昨年度(2019年度)から3年間の予定で、「遺産価値向上に向けた知床半島における大型哺乳類の保全管理手法の開発」と題し、北海道立総合研究機構と北海道大学、知床財団が共同で調査・研究に取り組んでいます。実施にあたっては(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費【4-1905】を活用しています。

 

(清成)

 

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2020年もヒグマの野外調査を実施しています

 2020年の春からは、新型コロナウイルス感染拡大防止のために多方面で影響が続いていますが、知床財団のヒグマ調査チームは昨年に引き続き、環境研究総合推進費を活用した現地調査を5月下旬に開始しました。調査は10月末までの予定で、知床半島の斜里町、羅臼町、標津町にまたがって設定された、67基(昨年から4基増設)のヘアトラップサイト、ヒグマの糞を探すための22のルートを2週間に一度の頻度で巡回を重ねていきます。

 2019年のヘアトラップ調査では、7,034サンプルのヒグマの体毛を収集し、ヒグマ糞は855サンプルも発見しました。北海道大学で行われているDNA解析の結果合計350頭(オス150頭、メス200頭)のヒグマが検出され、今まで把握できなかった個体が多く確認されました。また、回収されたヒグマ糞から半島内でも食性に地域差がみられることがわかってきました。今年度も昨年に引き続き調査を継続することで、さらなる研究成果が期待されます。

 事務所ではいつのまにか「ヘアトラ隊」という通称ができました。ほぼ毎日、2人一組の調査員がサンプル集めに知床半島の各所に出かけています。すでに調査も折り返し地点を迎えそうです。半島各所で毛と糞を必死で集めるヘアトラ隊に2020年も応援をよろしくお願いします。

ヘアトラ木を選定し、体毛を採集する有刺鉄線を巻く職員(昨年の調査を踏まえて、調査地点の移設・新設を数カ所行いました。)

林道上でクマ糞を発見!サンプルを採集します。

トラップについているヒグマの毛

今年もたくさん毛(サンプル)を採集しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

知床財団の広報紙SEEDSでも調査について特集されました↓

https://www.shiretoko.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/05/245.pdf

昨年度(2019年度)から3年間の予定で、「遺産価値向上に向けた知床半島における大型哺乳類の保全管理手法の開発」と題し、北海道立総合研究機構と北海道大学、知床財団が共同で調査・研究に取り組んでいます。実施にあたっては(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費【4-1905】を活用しています。

 

(清成)

 

 

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