カテゴリー  普及

地域の皆様と「クマ活」!

5月21日、22日と2日間かけてウトロの街中の草刈りを斜里町ウトロで宿泊業を営む、北こぶしグループ様とともに実施しました。

北こぶしグループ様は今年で60周年を迎えるとのことで、この記念すべき年を機に、
「知床をつづけていく」活動へ着手し、地域の課題を解決していくために今なにが必要か、
私たち知床財団にお声がけいただき、以前から一緒に打合せを続けて参りました。

そこで活動のひとつとして挙がったのが名付けて「クマ活」、草刈り作業です。
たかが草刈り、されど草刈り。草刈りがどうして今、知床に必要なのか。
一見すると「景観上よくないからね」「街をきれいにするためでしょ」などというご意見が聞こえてきそうですが、ここ知床の市街地では草刈りが人にとってもヒグマにとっても死活問題につながるのです。

知床、ウトロの街はまわりをぐるっと一周電気柵で囲まれていて、人の生活圏とエゾシカやヒグマとの境界線を作っています。ただし、これは100%の境界線にはならず、海側はもちろん開いていますし、川を伝ってヒグマに街中に入られてしまうこともあります。
一度柵の中に入り込んでしまったヒグマを外に追い立てるのは中々大変。
笹薮の中にひとたび潜り込もうものなら、姿は全く見えなくなり、どこへ行ったのか、我々対策スタッフもお手上げになることもあります。
さらには藪の中を体を隠しながら進み、知らぬ間に民家のすぐ裏までヒグマが近づいてしまう危険な事態にもなりかねません。
市街地の中にヒグマが入り込み、危険な状態だと判断した場合、最悪ヒグマを捕殺することもあります。

そこで、草刈りをして市街地の中の見通しをよくし、ヒグマに隠れられないようにしておくことが
人の生活の安全を、そしてヒグマの命自体を守るためにも、とても大切なのことなのです。

 

作業と草刈りの意義を説明するクマ対策スタッフ。

背丈を超える高さの笹にも立ち向かいひたすら刈る。

手刈り用の刈込ばさみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

2日間でのべ70人もの北こぶしグループの職員の方々が現場で一生懸命、しかも手で、草刈りを行ってくれました。おかげで目標だった場所の草刈りは全て終了、すっきりくっきり周囲が見渡せるようになりました。
北こぶしグループの皆様、本当にありがとうございました。

「ヒグマと人を守る」ため、草刈り活動はこれからも続いていきます。

 

ちなみに、
事務所に帰り、午後からパソコンに向かってマウスを動かす私の手は
はさみを握り続けたおかげでプルプルと震えておりました…(笑)。
参加者の皆様、大変お疲れさまでした!

 

 

 

 

 

 

 

 

(担当:山本)

, コメント (0)

不法投棄が絶えぬ世界遺産

知床は原生的な自然が色濃く残っており、多くの野生動物が生息する場所です。

国立公園内の道路脇でヒグマを目撃することも、珍しくありません。

知床連山


エゾシカ


ヒグマ


 

そんな場所でも、今年度に入ってからゴミの不法投棄が3件確認されています。

 

(1)2020年4月16日 国立公園内 幌別地区 見晴橋の下

 回収物:みかん約50個、シャンプーの容器、建築資材等


投棄されたみかん

 


回収したゴミ




 

(2)2020年4月29日 国立公園外隣接地 幌別橋のたもと

回収物:もやし、キャベツ、空き缶、掃除機、電気髭剃り、食品トレー等

ミズバショウが咲いている場所に不法投棄されたゴミ


捨てられたキャベツ

回収したゴミ。掃除機や電気髭剃りもあった。



 

 

(3)2020年5月1日 国立公園内 幌別地区 見晴橋の下

回収物:タイヤ、建設資材、衣服洗剤、中身の入ったジュースの瓶、弁当の空箱等

投棄されたジュースなどの缶やペットボトル



回収したゴミ。タイヤもあった。

 

 

 

集めたゴミを確認すると、地元の人が捨てたと思われるゴミとビジターが捨てたと思われるゴミの両方が混在している状況でした。

前段でも述べたように、ヒグマをはじめとする野生動物と人との距離が近いがゆえに、ゴミの投棄だけの問題ではなく、野生動物との軋轢(問題)が発生します。

私たち知床財団は、軋轢を解消するために、情報発信や利用者への指導啓発を行っています。

ですが、実際に不法投棄する現場を目撃するケースは無く、本人に指導できたケースはありません。

 

改めて、皆様にお願いです。

食べ物を含めたゴミの投棄は絶対にしないでください。

特に知床では、人為的な食べ物を口にした野生動物が駆除または交通事故等により命を絶たれるケースが発生しています。

2020年4月18日には、見晴橋の近くで、ビニールが入ったヒグマの糞が確認されています。


ビニール袋が入ったヒグマの糞




糞の中からでてきたビニール袋



 

そもそも不法投棄自体は、知床に限らず、社会一般的にやってはいけない事(犯罪)です。

そして、今は閑散としていますが、例年なら遠方から多くの方々が知床に訪れます。

その方々に、ゴミにまみれた世界遺産を見せるのではなく、本当に訪れて良かったと思っていただけるような、本来の知床を見てほしいと、私たちは願っています。

 

地域の皆様、ビジターの皆様、ゴミはきちんと処理してください。

蓄積されたゴミは後世に残ります。

私たちの子孫に残すものがそれでいいわけがありません。

今後もゴミの不法投棄が無くなるまで、情報発信を続けていきます。

皆様にも、ご支援・ご声援をお願いいたします。

 

 

追記です(5月6日)。

5月5日、ビニール袋をくわえたコグマが幌別駐車帯近くで確認されました。

この場所は先日もゴミを回収した場所でした。

例年ゴミの多い場所ですが、今年は利用者が少ないにもかかわらず、ゴミの投棄が目立ちます。

おそらく、コロナウィルスの影響により、近隣のコンビニエンスストアのゴミ箱が撤去されており、また飲食店や道の駅等の各施設も閉鎖されているため、ゴミの投棄が増えているのではないかと思われます。

皆様、どうか どうか ゴミは責任を持って必ず持ち帰ってください。

人のゴミが原因で野生動物が不幸な道(駆除または交通事故等により死亡)をたどるのは、絶対に避けたいのです。

心からのお願いです。

 

※このビニール袋はヒグマ対策員が回収しています。

 


ビニール袋をくわえたヒグマ

 

 


 

 

(知床財団 村上)

 

ご支援していただける方はこちら

個人の方へ

 

ヒグマ情報はこちらでも発信しています。

Twitter:https://twitter.com/bear_shiretoko

Facebook:https://www.facebook.com/BearSafetyShiretoko/

Instagram:https://www.instagram.com/bear_safety_shiretoko/

知床のひぐま:https://brownbear.shiretoko.or.jp/

 

, , コメント (1)

国立公園内での不法投棄

4月16日、知床国立公園内である幌別地区で大量のみかんが道路脇に捨てられていると通報が入りました。

対策員が現場を確認すると、このような有様でした。






 

回収したのは約50個のみかん。

幸いにも、ヒグマが気付く前に回収することができましたが、怒りが抑えられません。

場所はウトロ市街地から直線距離で約2キロの場所です。

 

一度人の食べ物を口にしたヒグマはこれまでと行動を大きく変え、人の食べ物を求めるようになります。

その結果、市街地にヒグマが侵入し、人命を危険にさらす可能性があるのです。

市街地には学校があり、子供たちが登下校もしています。

二度と、不法投棄をしないでください。

 

(知床財団 村上)

 

 

 

 

 

 

, , コメント (0)

クマ端会議、今年も開催しました。

開催日:2020年2月7日(金)@ウトロ、8日(土)@斜里市街地

私たち知床財団スタッフと地域の方々がヒグマについてざっくばらんに語り合う「クマ端(ばた)会議」を今年も開催しました。
今シーズンの斜里町でのヒグマの出没状況はどんな状況だったのか、ヒグマとうまく知床で暮らしていくためにどうしていけばいいのかをお茶を囲みながら地域の皆さんと意見交換しました。

2/7(金)@coffee albireo

 

ウトロでの開催は今回で7回目、斜里市街地での開催は3回目になります。
ウトロの回ではヒグマ状況に加え、昨年町内に新設したヒグマ対策ゴミステーション「とれんベア」をご紹介しました。斜里市街地開催の回では町外からのご参加もあり、今年話題となった札幌など市街地でのヒグマ出没を交えながら、盛んな質疑が飛び交いました。

2/8(土)@しれとこくらぶ

このクマ端会議は日ごろヒグマ対策に当たっている私たちスタッフと地域の方々が直接意見交換できる大切な場です。
私たちがどんな思いでヒグマ対策にあたり、なにを目指しているのか。
そして、地域の方々はヒグマと暮らしていることにどのような思いや心配事があるのか。
これから先も知床に住む私たちとヒグマが共存してうまくやっていくために、「クマ端会議」は今後も続けていきたいと思います。

(今年度は12月に羅臼でも初めて開催しました。詳しくはコチラ

また、今回の開催のため冬季休業中にもかかわらず臨時オープンしていただいたcoffee albireo様(@ウトロ)、そして3年連続でご協力いただいているしれとこくらぶ様(@斜里)にはこの場を借りて、御礼申し上げます。

(担当:田中)

コメント (1)

守ってほしいルール

冬の訪れ

ヒグマの活動が落ち着き、冬が近づいてきたので国立公園内の道路脇に設置されていたヒグマ生息地看板が撤去されました。この看板は、毎年春~初冬の期間に環境省が設置しているものです。

 

ヒグマ看板

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒグマ生息地看板ってなに?

ヒグマ生息地看板には、知床を訪れる方に守っていただきたいヒグマとのルールが記載されています。

ヒグマに接近しない」「餌を与えない」というルールを皆さんに知ってもらい、守っていただくために設置されているものです。

 

守ってほしいルール

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この2つのルール。

決して難しいことが書かれているわけではありませんが、なかなか守られていません。

 

「ヒグマに近づかない」

ヒグマへの過度な接近をせず、距離を保ってください。

ヒグマはとても魅力的な野生動物のひとつですが、時と場合によっては私たちに牙をむきます。

基本的にはブラフチャージ(威嚇突進)で済む場合が多いですが、そうでない状況もありえます。

親子グマの場合、母グマが子グマを守ろうと、通常より攻撃的な行動をとることがあります。

皆さまにはヒグマを見ても我を忘れずに、適切な行動をするようお願いします。

 

「ヒグマなどの野生動物へ食べ物を与えない」

直接的にヒグマへ餌を与える行為だけではなく、生ゴミを投棄する行為もヒグマに食べ物を与えることと同じ行為です。

2019年9月23日岩尾別地区で発見した不法投棄ゴミ

ゴミの中身は食品関係

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人の食べ物の味を覚えたヒグマは人がいる場所にいけば野生下で食べている物よりも栄養価が高く、高カロリーな食べ物を容易に手に入れることができると学習してしまいます。

 

 

人の食べ物の味を覚えてしまったヒグマは、最終的にその命を奪われてしまいます。

 

エサやりがクマを殺す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悲しい物語をこれ以上増やさないで下さい。

ヒグマだけでなく、キツネなど他の野生動物に対しても絶対に餌を与えないでください。

道路上で餌をもらえることを覚えたキツネは、これまでの行動を変化させ、四六時中道路上に滞在するようになり、最終的に車に轢かれて死んでしまうリスクが上がります。

 

来年は人にとっても野生動物にとっても良い年になることを願っています。

(担当:村上)

 

知床のヒグマ情報はこちら

Twitter:https://twitter.com/bear_shiretoko

Facebook:https://www.facebook.com/BearSafetyShiretoko/

Instagram:https://www.instagram.com/bear_safety_shiretoko/

知床のひぐま:https://brownbear.shiretoko.or.jp/

知床財団 ヒグマに対する私たちの考え方と取り組み:https://www.shiretoko.or.jp/higuma

 

 

, コメント (0)

ブログ