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「知らないこと、知床。」をどう使う?羅臼で活用方法を考えるワークショップを開催しました!

7月10日は斜里町、7月11日は羅臼町で、知床インタープリテーション全体計画ストーリーブック「知らないこと、知床。」の活用方法を考えるワークショップを開催しました。

主催は環境省釧路自然環境事務所、運営は知床財団です。

今回は羅臼会場の様子をリポートしたいと思います。

 

当日は、観光、漁業、教育、医療など、さまざまな分野から18名が参加しました。参加者のほとんどが羅臼町民で、過去にストーリーブックの内容を考えるワークショップへ参加した方の姿もありました。

「知らないこと、知床。」は、知床の自然や歴史、文化、暮らしにまつわる価値を、地域の皆さんとともに掘り起こし、2年間かけてまとめた一冊です。「自然と生命」「地形と景観」「歴史と文化」「暮らしと産業」の4つのカテゴリーに、12のストーリーが収められています。

この本の目的は、知床について詳しく説明することだけではありません。

ガイドや観光案内所、宿泊施設、飲食店、土産店など、地域で来訪者と関わる人たちが知床の魅力を共有し、それぞれの立場で伝えるための「教科書」や「ネタ帳」として使ってもらうことを目指しています。

 

先日、このストーリーブックが羅臼町と斜里町の全町内会へ配布されました。しかし、手に取った方の中には、「インタープリテーションとは何だろう」「内容は分かったけれど、実際にどう使えばよいのだろう」と感じた方もいたかもしれません。

せっかく地域の皆さんから知恵を借りて作り上げた一冊です。町民の皆さんに日々の仕事や暮らしの中で使ってもらうには、どのような方法があるのか。今回のワークショップは、そのアイデアをみんなから出してもらい、使い方を一緒に考えるために開催しました。

 

「インタープリテーション」とは?をかみ砕いて伝えるファシリテーターの川嶋直さん

 

はじめに、全国各地のインタープリテーション計画策定に関わられている、ファシリテーターの川嶋さんから、インタープリテーションの考え方について解説いただきました。

インタープリテーションという言葉を聞くと、専門的な知識を持つガイドが、自然や歴史について詳しく解説する姿を思い浮かべるかもしれません。しかし、特別な資格や難しい説明が必要なわけではありません。

地元の人が旅行者に、羅臼の海や漁業、動物、温泉、季節の暮らしについて話したり、日常の中で交わされる何気ない会話で人に物事を伝えることも、インタープリテーションです。

 

ストーリーブックの内容を紹介する様子

 

続いて知床財団職員から、ストーリーブックが作られた経緯や、掲載されている12のストーリー、巻末の索引などについて紹介しました。

 

 

おしゃべりから広がった活用アイデア

 

後半は参加者が3つのグループに分かれて、ストーリーブックの活用方法を考えました。

今回大切にしたのは、一人で黙々と答えを考えるのではなく、周りの人と自由におしゃべりをしながら発想を広げることです。この時間は川嶋さん発案「PKT(ぺちゃ・くちゃ・タイム)」と呼んでいて、実現できるかどうかにとらわれず、思いついた案を次々と出してもらいました。

 

PKTで色とりどりな発想を!

 

会場からは、「フォトコンテストのテーマにする」「ストーリーに沿った土産物のパッケージを作る」「子どもにも伝わる紙芝居にする」「町民自身が知床の魅力を紹介する動画を配信する」といった多種多様な案が次々と出てきました。

飲食店の席に置き、料理を待つ間に読んでもらうという、すぐに取り組めそうなアイデアもあれば、地元の漁師と旅人をつなぐきっかけにする、ストーリーを活かして歴史に残る祭りを作るという、地域の新たな交流や文化につながる提案もありました。

 

参加者から生まれたたくさんのアイディアの一部

 

学校の調べ学習や地域学習に活用する案も出され、観光だけではなく、教育、商品開発、情報発信、地域交流など、さまざまな分野で活用できる可能性が見えてきました。

最後は、各グループから出された付箋を会場に貼り出し、参加者全員で眺めながらアイデアを共有しました。ほかのグループの意見を読み、「こんな使い方もできるのか」と、新たな発想が広がる時間となりました。

 

 

使ってこそ育っていく一冊

 

話し合いの中では、旅行者や羅臼で働く外国人のために英語版も欲しいという声が上がりました。また、ストーリーブックの存在や目的が、まだ地域へ十分に伝わっていないという厳しい意見もいただきました。今後は、冊子を配布して終わりにするのではなく、内容や使い方をさらに発信していく必要があります。

巻末の索引から気になるキーワードを探し、関連するページを読んでいく方法は参加者から好評でした。最初から順番にすべて読むのではなく、「シャチ」「流氷」「温泉」「漁師」など、自分の興味や仕事に関係する言葉から読み始められることも、この本の楽しみ方の一つです。

 

「知らないこと、知床。」の1ページ

 

「知らないこと、知床。」は、本棚にしまわれてしまうことなく、町民の皆さんがページを開き、中身の物語を誰かに話し、仕事や学び、地域の活動に取り入れることで、初めてその役割を果たします。

地元の人から旅行者へ知床の話をする。特別なことをしなくても、それはもうインタープリテーションなのです。

11月下旬には、活用方法を軸としたワークショップの開催も検討しています。詳細が決まりましたら、改めてお知らせします。その際はぜひ、「知らないこと、知床。」を片手にご参加ください。

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