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東京都立南多摩中等学校「森づくり体験」実施報告

シカ捕獲の大きな柵、これも森づくりの一環です。

シカ捕獲の大きな柵について、説明をしているところ。    シカ捕獲も森づくりの一環です。

日時:2014年6月18日~19日  天候:曇り

少し暑さが治まり、また肌寒くなった知床に、東京の南多摩中等教育学校から元気な中学3年生160名を迎え、森づくり体験を行いました。

午前・午後それぞれ約40名ずつ、2日間に渡り、2003年に設置した防鹿柵(シカの侵入を防ぐ柵)内で、鎌を用いて、ササやワラビなどを刈り取る作業をお手伝いいただきました。

 

 

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2014年度 北海道大学獣医学部実習

今年も北海道大学獣医学部の実習を受け入れました。
この実習は今年で5年目、獣医学部の5年生、計22名を受け入れました。

実習では、知床で行っている野生動物の調査や保護管理について実地研修を行いました。また、野生動物の生態調査を想定し、自主的に調査を企画・立案・運営するプログラムを実施しました。

学生が3班に分かれて行った調査の結果をご紹介します。

↓ ここからは実習に来た学生さんによるレポートです。

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1班 「うんこを真面目に考える会-ラブリーに生きる-」

1班は、動物たちのフィールドサイン(痕跡)を探しました。糞を集め、糞の落とし主を同定し、その内容物と糞中に排泄された寄生虫の卵について調査を行いました。

事前調査では、カラマツ林でヒグマがセミの幼虫を探して木の根元を掘り返した跡を見つけました。また、獣道にタヌキのため糞を発見したため、自動撮影カメラを設置しました。
翌日にため糞を再訪してみると…なんと!新しい糞を発見しました!
自動撮影カメラにタヌキの姿をとらえることはできませんでしたが、タヌキは何度も同じ場所に糞をする習性があるということをあらためて実感することが出来ました!

寄生虫の卵を観察するためには、まず糞を乾燥機にかけて不活化、そのあと糞を遠心分離機虫で卵を分離します。糞の内容物を調べるためには、水で洗いながらざるを使って糞を濾します。

hokudaijishu_201406_1野外から採取したキツネ、タヌキ、ヒグマの糞について調査を行ったところ、キツネの糞から鞭虫とマンソン裂頭条虫の卵が、タヌキの糞から鞭虫の卵が見つかりました。

 

hokudaijishu_201406_2

さらに、キツネの糞からは、たくさんの鱗翅目の幼虫(おそらく蛾の幼虫)が出てきました。

動物たちの落とし物からは、知床の豊かな自然の匂いがたっぷりと感じられ、ラブリーな動物たちの生きる世界を、もっともっと深く知りたいと思いました。

 

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2班

私達はシカの影響をテーマに次のようなことを調べました。
 ①シカがいる場所といない場所でどのように植物が違うのか?
 ②シカがいる場所といない場所でダニの数や種類に違いがあるのか?
 ③シカがいる場所といない場所で土壌生物に違いはあるのか?

知床の岩尾別地区にはシカの侵入を防ぐ植生保護柵がいくつかあり、今回は2001年に設置された柵の内側と外側を調査して比較してみました。
柵の外側が「シカがいる場所」、内側が「シカがいない場所」です。

図1

①シカがいる場所といない場所でどのように植物が違うのか?
シカがいる場所ではシカが草を食べるため、地面の下草がゴルフ場のように短い!若い木の新芽も大半が食べられてる・・・
シカがいない場所では地面の下草の丈が長い!胸元までの長さのものあって小さなわたしは埋もれて大変でした・・・ちなみに、若い木の新芽も多く見られました。

図2

②シカがいる場所といない場所でダニの数や種類に違いがあるのか?

白い旗を振って、そこについたダニを採取しました(フラッグ法)。ぱたぱた
シカがいる場所では幼ダニ、若ダニが多く、ダニの運動会だねと盛りあがる一行(笑)吸血しているダニ(めっちゃでかい)も見られました。また、クマがセミの幼虫を掘り返したとこと、クマやシカのうんちの近くで大量にとれました!大量大量!容器の中でダニ団子を作ってました。
シカがいない場所では成ダニが多く見られました。

ちなみにダニには大きく分けてマダニとチマダニの二種類がありますが、今回多く見られたのはチマダニの方でした。マダニはスタイリッシュでカッコ良いやつ、チマダニは丸っこくて愛嬌のある子です。ダニも可愛く見えてきました。

図3

③シカがいる場所といない場所で土壌生物に違いはあるのか?

落ち葉を水につけて一晩置き、落ちてきた虫を観察しました(ベールマン法)。
シカがいる場所といない場所で特に差はありませんでした。
主にクマムシが見られました。水の中で溺れてうねうね…

図4

3班 知床に侵入している外来種について調べよう!!

ということで、岩尾別川沿いの植物に着眼しました。

岩尾別川に沿って、川沿い、道路沿い、山側に分かれてそこに生息する外来種を調査しました。前日の下見の結果から、特に多く侵入していると考えられるセイヨウタンポポ、シロツメクサ、セイヨウノコギリソウ、アメリカオニアザミ、ヘラオオバコ、ハルザキヤマガラシの6種に絞って分布図を製作しました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA真剣に調査中…。

ついでにマルハナバチを見つけたら片っ端から同定し、セイヨウオオマルハナバチを探しました。セイヨウオオマルハナバチは日本全国で問題になっている外来生物で、知床にも侵入しています。童心に戻って虫取り網を振り回し、ハチを採取しました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA発見!

結局今回見つけたものはすべて在来種のエゾオオマルハナバチだったので、同定後すぐリリースしました。がんばって生き抜くんだぞー。


童心に戻った結果↓
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

シマヘビも見つけました。いい笑顔!

調査の結果、道路沿いには圧倒的にヘラオオバコが多く、川沿いにはアメリカオニアザミが多いことがわかりました。また今回の調査では在来種のタンポポが全く見つからず、セイヨウタンポポが知床でも勢力を拡大していることが分かりました。
シロツメクサは山側、道路側でびっしりと見られました。セイヨウノコギリソウは、すべての場所に見られました。


おまけ1

鳥の鳴き声を聴いてみよう!ということで、集音器でキャンプ場の鳥の声を録音しました。夕方に設置し、翌日の夕方に回収。狙いは早朝の音声だったのですが・・・。

夜中に録音が止まっていた…ッ!!

原因不明のトラブルが発生し、狙いだった早朝の鳥の声を録ることができませんでした。
仕方がないので、録音できた範囲で聴いてみた結果、キビタキ、センダイムシクイ、ヤブサメ、何らかのキツツキのドラミングなどが録れました。フクロウ類に鳴いてほしかった…

 

おまけ2

事前学習でアメリカオニアザミについて調べている時、隊員Tはある事実を発見した。
「アメリカオニアザミ、食べられるやん・・・!!」
※アメリカオニアザミにはトゲがあり、シカは食べようとしません。
そこで、我々はその事実について、検証してみることにした。

【アメリカオニアザミの天ぷら☆】
〈材料〉
・アメリカオニアザミ(知床産)
・片栗粉
・塩コショウ
・油
・適度な炎


〈作り方〉
OLYMPUS DIGITAL CAMERA1.    アメリカオニアザミのトゲを炙って除去する。ここが工夫ポイントです!
2.    安全になったところで水洗い。
3.    揚げる。
4.    盛りつけて完成!!!

試食してみました(試食するT隊員)。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

皆さんの感想は?
T「根はゴボウの食感。葉はさくさく美味しい。シカに勝ったー!」
M「食感がよかった」
A「ほのかに渋くて苦い」

ちなみに翌日お腹を壊した人はいませんでした!みなさんもお試しあれ☆

 

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ウトロ小中学校でクマ授業を行いました

5月8日に斜里町のウトロ小中学校の全児童、生徒を対象に、クマ授業を行いました。

ウトロ小中学校では毎年クマ授業を行っているので、学年が上がるにつれ、ヒグマについて周りの大人たちよりもどんどん詳しくなっていくように感じられます。

 授業では、「ヒグマはどんな動物か?」についてまず学んでもらい、「遭遇したらどうするか?」については実演で学習してもらいました。また、毎年全く同じ授業にならないように、授業の後半は毎回違う話題でお話しています。今回は、マダニとエキノコックスについての基本的な知識や対処法について学んでもらいました。皆真剣に話を聞いて、積極的に質問をしてくれました。

 ウトロは、今回の授業の数日前に市街地にヒグマが出没しており、学校と家の行き来でヒグマに遭遇することが実際に起こりうる場所です。しかし、今回の授業での児童や生徒たちの様子を見ると、実際にヒグマと遭遇しても心配ないような頼もしい雰囲気を感じ、なんだか安心しました。

新庄

授業を真剣に聞く児童たち

授業を真剣に聞く児童たち

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