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知床フィールド講座:「ヒグマの生態」~冬眠に向けて~

061028kouza.jpg実施日:2006年10月28日(土)
今回の講座はヒグマの生態を知るシリーズ第3弾の秋編。今この季節、ヒグマは冬眠に向けて一体どんな生活を送っているのだろう、そのメカニズムの不思議について触れるべく8名の参加者と知床の秋の原生林に飛び込みました。


まずは、屋内でスライドを見ながらの座学。ヒグマはどんな動物なのか、交尾期から妊娠、冬眠穴内での出産、子育て、そして止め糞の話・・・・。まだまだ完全には知られていない冬眠穴内でのヒグマの様子。一体全体穴の中で何が起こっているのか?そのメカニズムについては参加者の最も興味がそそられるところのよう。座学中、絶えず、へぇ~と感嘆の声が上がりました。
座学の後は、早速ヒグマの生息する森に飛び込んでもらいました。もうすぐ11月になるというのに15℃まで気温が上がった今日の知床。ポカポカ暖かい陽気の中、まずは冬眠穴を観察。これが実際にヒグマの使っていた穴かぁ・・・としばし見入る参加者。その後、車で移動中に、サケを採るヒグマを実際に見ることができました。冬眠に向けて栄養を蓄え、脂肪をたっぷりつけた大きなヒグマに参加者は圧倒された様子。気分が高まってきたところでヒグマの棲む森を散策。すっかり紅葉も進み、雪化粧をした知床連山を眺めながら、落ち葉でいっぱいの林内にはやはり、たくさんありました!木に登った爪跡があちらこちらに。でも、どうして木に登ったの?樹上高く視線の先には黒々と熟すヤマブドウ。それ欲しさにヤマブドウのツルを引っ張った模様・・・・・・。なるほどねと参加者。辺りにはおこぼれのヤマブドウがぽろぽろとたくさん落ちていました。そしてドングリがたくさん入った糞も発見。ミズナラの大木がしっかりと実をつけその実を落とし、秋の味覚をたっぷりと堪能している知床のヒグマ。実際のヒグマの姿は見えなくとも、その痕跡はまさにたっぷり。参加者にとっては、ヒグマの存在を常に意識させられるような緊張感たっぷりの中での散策となったようです。最近は日暮れがすっかり早くなった秋の知床。乾いた風が冬の到来を告げています。ヒグマも冬支度に大忙しの季節。この講座で参加者は冬眠するヒグマの姿が一足早くありありと想像できていたのかもしれません。(担当:片山)

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