カテゴリー  野生動物の調査対策

クマ渋滞 交通事故にも注意!

世の中はゴールデンウィークです。知床では、道路脇に現われたヒグマを見物する車両による渋滞、いわゆ
る「クマ渋滞」が頻繁に発生しています。ここに載せた写真はすべて今日撮影したものです。二重駐車、急カーブでの駐停車、なんでもありです。

写真1. 急カーブに二重駐車. お子さん抱えてみんなで車外でクマ見物.

写真1. 急カーブに二重駐車. お子さん抱えてみんなで車外でクマ見物.

おまけに、野生のヒグマを近所の犬か何かと勘違いしているのでしょうか?皆さん平気で車から降りてきます。そして写真撮影。先頭を切って親子グマにずんずん接近して写真を撮りまくり、一般観光客の悪い手本になっているのは、知床常連のプロカメラマン・・・ もはや目も当てられません。

皆さんにお願いです。道路脇にヒグマがいるのを見つけても、けして車から降りないで下さい。ヒグマはとても個性豊かです。人間に向かってすぐに威嚇突進してくる危険なヒグマも、最近道路沿いに出てきています。車から降りたあなたの安全は、一切保障できません。その点はサファリパークと一緒です。まして、お子さんを抱えて車から降りて、ヒグマに近づく(写真1)など論外です。やめて下さい。

車内から何枚か写真を撮ったら、すぐに車を移動させて下さい。ヒグマ見物の渋滞は交通事故の原因になります。今日は警察にも何度も出動してもらいました。しかしパトカーを見ないと移動しないようでは、本当に困ります。

写真2. 危険な二重駐車. バスの通行の邪魔に. 人だかりの30m左下には親子グマ.

写真2. 危険な二重駐車. バスの通行の邪魔に. 人だかりの30m左下には親子グマ.

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ヒグマGPS首輪をやっと回収しました!

首輪捜索04知床財団ではヒグマの行動を詳しく調べるため、ヒグマを麻酔捕獲してGPS付き首輪を装着しています。GPSは人工衛星を利用した測位システムで、GPS付き首輪を付ければ山奥のヒグマの位置も正確に知ることができます。しかし首輪は何かのはずみでヒグマから外れてしまうことがあり、その場合は落ちた場所まで行って回収しに行かなければなりません。

今回は昨年の夏にヒグマから外れた首輪を回収しに、知円別岳の中腹まで行きました。

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トド調査続報その1(2014年度冬季)

11月10日に当ブログで「今季のトド調査スタート」とお知らせしましたが、続報その1です。

10月末以降の調査実施日の中では、11月8日がある程度まとまった頭数の群れの「初認日」でした。
その後、知床半島東岸(羅臼町南部~標津町北部)でのトドの確認頭数は例年どおり徐々に増えており、
12月7日には6ヵ所ある調査定点のうちの1ヵ所で、46頭以上の遊泳個体を発見しました。

トドの遊び行動(背面跳び) 2014年12月7日撮影

トドの遊び行動(背面跳び) 2014年12月7日撮影



ただし今年度は20年以上ぶりに、11月の早い
時期から群れに対する強い攪乱があるため、
トドの警戒心がやや強くて遊泳個体をカウント
しにくい状況です。
そのため、定点から見えていたトドの実際の
頭数は、もう少し多かった可能性があります。

 


今季はこれまでに、計3頭の標識個体の全文字判読に成功しました。
この3頭のうちの1頭(Б 745)は、2012年度と2013年度にも羅臼町沿岸の定点で観察
されています。
つまり、3冬連続で知床半島東岸(根室海峡北部)へやって来たことが確認されました。

ロシアによるトドの標識個体の例: Б745 (2014年11月30日撮影)

ロシアによるトドの標識個体の例: Б745 (2014年11月30日撮影)Panasonic HC-V520M

 

 

 


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ロシア極東でカワウソの生息環境調査に参加してきました

2014年9月13日から同23日までの11日間、ロシア極東の沿海地方とハバロフスク地方で実施された、ユーラシアカワウソ(ニホンカワウソと同一種)の生息環境調査などに調査助手として参加してきました。

海岸の砂浜にあったカワウソの足跡と尾を引きずった跡

海岸の砂浜にあったカワウソの足跡と尾を引きずった跡


私自身はカワウソなどイタチ類の専門家ではないため、海岸や、森の中を流れる河川でカワウソ調査の手伝いをしつつも、岩礁に多数上陸しているゴマフアザラシや、広大な森の中のシカ類やクマ類の低密度ぶり、林床に広葉樹の稚樹や幼木が豊富にあることなど、カワウソ以外の自然の方にも、ついつい目うつりしてしまっていました。

私がよそ見して観察していたロシア極東の自然については、先ずは近隣の方に向けて、ウトロの自然教育研修所で来週11月19日(水)の夜に開催される「知床ゼミ」で、詳しく紹介したいと考えています。

シホテ-アリンスキー国立生物圏保護区(世界自然遺産)の海岸と汽水湖

シホテ-アリンスキー国立生物圏保護区(世界自然遺産)の海岸と汽水湖

 

 

ところで、なぜ知床財団の職員がカワウソ調査に参加したのか?
理由は下記のとおりです。

 

 

 

 

 

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今季のトド調査スタート

知床財団では、知床半島東岸の羅臼町南部と標津町北部において、冬期にトドの定点調査を実施しています。
今年もトドの越冬群の本隊が、ロシア海域から知床へやってくる時期が近づいたため、10月下旬から調査を開始していました。11月8日には、メス成獣主体の計9頭を確認しています。

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トドの定点調査は今季で9シーズン目。この調査データの一部は、知床世界遺産地域周辺にやってくるトドの現況を把握するための数少ない資料として、世界遺産の管理に関係する会議などで活用されています。

体が大きく大食漢のトドは、その海域に少数が滞在しただけでも多大な漁業被害を発生させるため、その増減傾向の把握が特に重要な種です。
知床のトドの、本調査による各冬の最大確認頭数は、2006~2010年度には急速に増加していましたが(60-179頭)、夏季の死体漂着が目立つようになった後の2011~2013年度は横ばい、または微減傾向となっており(110-131頭)、この冬の動向が注目されます。

 

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