ミズナラの豊凶調査を行いました
ヒグマをはじめ、エゾリスやカケスなど知床に住む様々な生き物の重要な餌資源となっている「ミズナラ」の堅果(ドングリ)。
ミズナラがどのくらい実をつけるかどうかを調査することは、動物たちの行動や自然の状況を予測するためのとても重要な仕事の1つです。

木になっているミズナラ堅果
その調査方法には、落ちてくる実の数を、ランダムに抽出した木の下に設置したトラップで回収し、実際に数えるという方法があります。
しかし、この調査はかなりの時間とコストがかかるため、正確に数を把握できる一方で、広範囲で複数の調査を行うことには適していません。
そこで、知床財団ではカウント調査を取り入れています。
この調査方法では、双眼鏡による目視で、木に成っているミズナラ堅果の数を複数人で数えます。

実際のカウントの様子
1回のカウント時間を30秒とし、各木につき3セットずつ行います。そして、それぞれのセットごとにカウント数の平均値を出します。
この日の調査対象木は30本!
知床半島の調査木は斜里町側と羅臼側それぞれに分布しており、この日は斜里町のミズナラを調査しました。
途中、対象の木が奥にあり、特定が難しい事態が発生しました。

調査対象木の特定のため、斜面を上がる様子

時には、生い茂るササをかき分けていかなければならないことも
間違った木をカウントしてしまわないよう、GPSを用いて調査対象木の場所を正確に特定しているのですが、GPSがずれていることも。
その場合は近くまで行って木を特定します。木には目印としてピンクテープが張ってありますが、
とれてしまったり、目立たなかったりするものには再度ピンクテープ貼りなおします。

ピンクテープを張り直す
昨年度はあまり結実状況がよくなく、部分的にたくさん実のついていた木に、集中的にヒグマがやってくる様子が観察されました。
今年はというと…
全体的にあまり実がなっておらず、ほとんど0に近い木もありました。
成っている実の大きさの違いを2年前の同時期に調査した写真と比較すると、一目瞭然です。
実がほとんど膨らんでいません。

2026年8月19日のミズナラ堅果

2024年8月22日のミズナラ堅果
ミズナラの木の個体差も、もちろんあります。
カウント数が0に近い木も多かった一方で、100個近く実が確認できた木もありました。
一部の実成の良い木にヒグマが集中して訪れるといったような、動物たちの行動も、昨年と似たような傾向があるかもしれません。
自然界での餌資源の増減は、把握や予測がむずかしく、絶対とは言えません。
ただ、少しでも状況を予測できれば、こちらも格段に対応しやすくなります。
今後も動向を注視しつつ、秋を迎えたいところです。





