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第7回羅臼ブログ「海中ビュッフェは自粛ムード関係なし」

 昨年4月に羅臼ビジターセンターに異動となってから、早いもので1年がたとうとしています。羅臼ブログも今回で7回目となりました。そろそろ私のブログにも飽きが来てないだろうかと心配になりますが、お付き合いください。

 新型コロナウイルスの関係で北海道から「緊急事態宣言」が発令され、羅臼の観光船も流氷シーズンの営業が早々に終了し、心なしか静かな羅臼の海となっています。そんな羅臼の海岸でカモメとカラスたちが集まって大騒ぎしている場面に先日遭遇しました。

わずかに湾になっている場所にだけ、オキアミの死体が溜まっていたようです。

 もしかして、よからぬ物が漂着しているのではと思い、海岸へ降りて周囲を警戒しながら捜索するもそれらしき物はなかなか見つかりません(よからぬ物とはヒグマを誘引してしまう可能性のある動物の死体等のこと)。私がドキドキしながら海岸を捜索している時も、カモメたちは一心不乱に頭を海に突っ込み続けています。不思議に思い海中をのぞくと無数の白っぽいものを発見しました。すくってみると死んだオキアミでした。鳥たちはこれを発見して狂喜乱舞のお祭り騒ぎで食べ放題パーティーをしていたようです。オキアミを除去するわけにもいかないので食事中に邪魔してすまんねとその場を離れました。

漂っていたオキアミ(エサダ)
まだ新鮮だった。

 後から聞いた話では、羅臼ではオキアミのことを「エサダ」と呼び、漂着はこの時期によくあることで珍しくはないとのことでした。私にとっては珍しい現象でしたが、海岸から急傾斜で落ち込んで水深1000mもの深海が近海にある羅臼の海の特徴の一つなのでしょうか?羅臼の海の豊かな理由の一部に触れた気がしました。

 今年は3月下旬になっても羅臼の海には流氷が残っていますが、雪解けの早い斜面ではフキノトウも頭を出し始めています。またオキアミが漂着しているのを発見した翌日には、羅臼町で今年初のヒグマ目撃もありました。少しずつですが、春が近づいてきているようです。明日から新たな年度も始まります。新年度はどんな羅臼を見ることができるか楽しみです。

 

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