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エゾシカ航空カウント調査に参加しました

 3月6日から3月11日までの期間、ヘリコプターで上空からエゾシカの頭数を調べる「エゾシカ航空カウント調査」を実施しました。この業務は環境省から業務として知床財団が請け負っているものです。ウトロや羅臼にお住まいの方は、空からのエンジン音に驚かれたかもしれません。お騒がせしました。

 知床は2005年に世界自然遺産に登録されましたが、その後エゾシカの高密度状態が植生や他の生物に影響を与えている可能性を指摘され、エゾシカの管理を適切に行うようIUCN(国際自然保護連合)から勧告を受けています。
もっと詳しく知りたい方は「第3期知床半島エゾシカ管理計画」をご覧ください。http://hokkaido.env.go.jp/kushiro/170403p1.pdf

(環境省釧路自然環境事務所のホームページにジャンプします)
 エゾシカの管理を行うには、まず知床半島のどの辺りにエゾシカが何頭いるのか把握した上で、個体数調整(捕獲)する計画を進めなければなりません。この航空カウント調査はそういう意味でも重要な調査なのです。

 実はこの調査、昔から継続的に行われています。最初は2003年に行われ、その後は2011年に半島基部の範囲を含めた広域調査が行われました。2013年以降は毎年実施されています。このように継続的に調査を行うことによって、過去と比べてどの程度シカが増減しているか分かるという仕組みです。
 

 

 昨年の2017年は自然遺産エリアに747頭のエゾシカが確認され、今回は659頭でした。エゾシカが森の中に隠れていると見つけられないので、この数は実際の生息数より少なくなるはずです。多少の誤差はあると思いますが、エゾシカは着実に減少方向に向かっていると考えられます。2011年の調査では同じエリアで2,652頭確認されているので、この7年間でエゾシカは大幅に減少したと言えるでしょう。それは自然遺産エリアを含む知床半島で継続的にエゾシカの個体数調整(捕獲)が行われているからです。

 3月8日に私もヘリコプターに乗り込みました。空から見た知床半島は美しく雄大で、北から押し寄せる流氷が印象的でした。地上にいる時よりも、知床半島は細く長く、そして急峻だと感じました。北から押しよせる流氷の強大な流れを半島が受け止めてくれるから、オホーツク海は豊かな海でいられるのかもしれません。その代償として半島の海岸線は荒々しく削られ、場所によっては高さ100m以上の絶壁になっています。
 美しい景色に酔っている暇もなく、機体は風に揺られ、エゾシカをさがしながらぐるぐると旋回するものだから、今度はひどい乗り物酔いになってきます。上空から探すエゾシカはアリのように小さくて凝視しなければ見つけることができず、襲い来る吐き気に耐えながら地上にいるエゾシカを探し続けるのでした。

 知床半島の冬は長く、4~5ヶ月間は雪に閉ざされます。エゾシカは冬枯れの山の中を、秋までに蓄えた栄養を消費しながらササの葉や木の芽、樹皮などを食べて命を繋ぎます。メスは冬期に妊娠しているので、お腹の子どもの分まで食べて生きなければなりません。寒さと飢えに耐え忍んで生き抜くこと、それが彼らの能力なのだと思います。
 知床世界自然遺産はエゾシカの存在を悪としているのではありません。増えすぎて他の生物に影響を及ぼすことが問題視されているのであり、エゾシカも知床の自然の一部であるということを忘れてはならないでしょう。

(担当:能勢)

↓ Youtubeで上空からの知床半島の景色を見ることができます。画面酔いにご注意ください。

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