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ダイキン工業「第17回知床ボランティア」開催報告

実施期間:2020年2月1日(土)~3日(月)

ダイキン工業の社員の皆さん8名にお越しいただき、冬の知床の自然で森づくりのお手伝いをしていただきました。

このボランティアは、ダイキン工業様からの寄付による森づくりの一環で、有志の社員の皆さんが実際の森づくりに携わるイベントです。冬の開催は、昨年に引き続き2回目です。今回は、天候の影響で予定より1日短い3日間の開催となりました。

2月の知床は、日中でもマイナスの気温が当たり前の季節です。本州からいらっしゃった皆さんにとっては、まずはスノーシューを履いて歩くところからがスタートです。慣れない雪の中、かつて植えたアマエゾマツやトドマツなどが立ち並ぶ植林地へと向かいました。

今回の森づくりは、15年から20年前に植えられた木々をノコギリを使って切っていく作業です。

 

 

植えた当時は、まだ30センチほどだった木々は、今では5メートル以上にもなり、だんだんと混み合ってきている状況になっています。これらの木々を部分的に切り、すかしていくことで、今は2種類の針葉樹しかない場所に、もともと知床にある木々の種が入り、新たな木々が育っていく場所をつくることを目的にした作業です。

人の腕ほどの木の幹をノコギリで切り、その切った木を人力で引っ張り出す作業を一日いっぱい続けました。

 

この日切り出した木は計137本、今後もこの作業を続け、雪が解けた後には、今は雪の下にある根本の部分の処理やササ刈りなどを行っていく予定です。

そして、数年後には、切り残した針葉樹の林の中に違う種類のいくつもの木々が育ち、新たな森が立ち上がる姿を見ていただけるのではないかと思っています。

 

この日は、前日には雲の中だった知床連山も端から端までくっきりと見え、残念ながら流氷は間に合いませんでしたが、冬の知床らしい風景も見ていただくことができました。

予定より短い開催となりましたが、作業の後の温泉や流氷フェスなども体験していただき、凝縮した3日間になったかもしません。知床の森づくりは、こんな冬でも皆さんの力を必要としています。

今回ご参加いただいた皆さん、ほんとうにありがとうご
ざいました。ぜひ、また違う季節の知床も風景も見にき
ていただければうれしい限りです。

 

<参加者の皆さんから>

・大自然の中で体を動かすのは非常に気持ちがいい。知床の森に少しでも役に立っているということを誇らしく感じる。腕力・体力に違いがっても参加者それぞれ身の丈に合った作業ができるように財団の方が考えてくれているので誰でも充実感を得られると思う。

・知床財団の方より頂いた言葉で心に残ったのが『これまでたくさんのボランティアの方が知床での活動に参加され、その一つの活動は小さい事かもしれませんが、その小さな活動が何十年も続いて今の知床の姿となっている』ということです。その言葉を聞いたときになんだか今回は1日しか活動はできなかったけれども知床を守る力になれたことをとても嬉しく感じました。

・今回初めて参加しましたが、知床の大自然を体感することができ、非常に良い経験になりました。作業中や食事の際には、斜里町長や財団の方々とのお話しから多くのことを学びました。特に、一度壊れた自然を取り戻すために、多くの困難がありとても時間がかかる点が印象的でした。

・今回2回目の参加でした。今回は前回とは異なる新しい活動を体験し、新しい知識を得られたらと思っていました。その通りの経験ができて満足できたとともに、今回は確認できませんでしたが、前回の活動のその後を確認するという新しい目標を持つことが出来ました。

・少しでも、ボランティア活動で答えれるべく、頑張りたいのですが、如何せん時間の制約が有り、いつも歯がゆい気持ちになります。この気持ちはいつでも忘れずに、知床へ行かなくても出来る支援を考えて行動したり、周りの者へ知床の事を伝えたり、直接は知床の支援に繋がらないかも知れないが、出来る場所で出来る事を自分なりに継続していきたい。

・参加して、単なるボランティア活動ではないことに気づかされました。実際に活動だけでなく、知床財団の方のお話しを伺うことで動植物、地質、歴史文化、政治的背景等の多方面から知床の現状について学ことができたからです。入植者が生きるために知床を開墾してきたこと。エゾシカが厳しい冬を生きるために樹皮を食べていること。こうして森づくりを行わなければならない背景を知った後、帰路の着陸直前の飛行機から都会の街並眺めると「ほどほどに生きることはできないものか?」という思いが湧いてきました。行きの飛行機のとは、景色が違って見えました。また、知床には行くと思います。

・初めての知床、日本の最果てにはどんな景色が広がっているのか知りたいという好奇心のもと、せっかく行くなら冬がいいと思っていました。同時に、緑豊かなイメージがある知床でなぜ森林保全にこんなにも力を入れているのか疑問でした。直接目で見て、触れなければ自然の再生の難しさ、守り続けることの尊さは分からなかったと思います。スタッフの方から聞いた開拓時代の話はとても興味深く、歴史的背景を理解してからもう一度行きたいと思います。壮大な自然と美しい雪景色を肌で感じることができ、冬ならではの知床を味わえました!

 

(担当:松林)

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