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より正確なヒグマの生息数推定に向けた調査を行っています

「知床半島にヒグマは何頭生息しているでしょうか?」

知床にいらっしゃる観光客の方にもたくさんいただくこの質問ですが、実は現在、知床半島のヒグマ生息数は科学的に解明されておらず、過去と比較して増加しているのか、それとも減少しているのか正確に分かっていません。(現在の推定個体数は 559±440(知床半島ヒグマ管理計画,2017))

しかし、知床世界自然遺産地域では、この地域で暮らすヒグマ個体群を健全に維持するとともに人間社会との軋轢を軽減することが重要な課題となっています。ヒグマ個体群を健全に維持するためには、ヒグマの生息数に対し、捕獲数が一定以上を超えない事(捕りすぎない事)が求められ、精度の高い個体数を推定することで適正な捕獲数を求め、健全な個体群の維持と軋轢の軽減を目指すことができます。

北海道立総合研究機構と北海道大学、知床財団は本年度から3年間かけて調査を実施し、ヒグマの新鮮な糞、背こすり木などから回収した体毛、捕獲個体の肉片などからDNAを分析し、その個体を特定することで、より正確なヒグマの生息数を明らかにする個体数推定法を開発する研究に取り組んでいます。

私たち、知床財団は、主にその現地調査の大部分を担い、6月から11月までの予定で、知床半島の斜里町、羅臼町、標津町の広範囲でヒグマの糞を探すためのルートを設定し、ヒグマの体毛を採取するためのヘアトラップと自動撮影カメラを63箇所に設置し、調査を行っています。

ヘアトラップから毛を採集し、DNAで個体を特定します。

発見した糞から表面の組織を拭い(スワブ)DNAを分析します。

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  • ※本年度(2019年度)から3年間の予定で、「遺産価値向上に向けた知床半島における大型哺乳類の保全管理手法の開発」と題し、北海道立総合研究機構と北海道大学、知床財団が共同で調査・研究に取り組んでいます。実施にあたっては(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費【4-1905】を活用しています。

具体的には、①より正確なヒグマの生息数推定にむけた研究、②ヒグマ大量出没の要因解明に関する研究、➂ヒグマ捕食圧下におけるエゾシカの高密度維持機構に関する研究、の3つのテーマに取り組みます。

今後、活動ブログで順次、調査の様子などをお伝えしていきます。

(担当:清成)

 

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