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大瀬初三郎氏から寄付をいただきました

070701oose.jpg2007年6月26日 ヒグマが高密度に生息している知床半島ルシャ地区で、サケ・マス定置網漁業を営みながら、長年同地区での保護活動に協力し、ヒグマと共存するために独自の取り組みを行ってきた大瀬初三郎氏から、寄付をいただきました。 厚く御礼申し上げます。 (大瀬氏(左)から寄付を受け取る森理事長) ■大瀬氏の功績について  大瀬氏が定置網番屋を構えるルシャ川付近は、知床を特徴づけるサケ・マス類と河川を通じた海洋生態系と陸域生態系の相互関係が最も顕著にみられる地域です。そのため、同地区は知床でも最も豊富にシマフクロウ・オジロワシやヒグマなどの野生生物が生息する知床の核心部として、特別保護指定区域にも指定されています。大瀬氏は1960年代初頭から40年以上の長きにわたって、サケ・マス定置網漁業に従事するとともに、同地区での保護活動に協力し、独自の取り組みも行ってきました。  大瀬氏は、1964年、国立公園指定と同じ年から、ルシャ地区の定置網番屋において漁業を営むようになり、以来、同地区を訪れる公園管理関係者や研究者らに惜しみない協力を行ってきました。同氏の番屋と協力がなければ、各種調査研究や公園管理活動は行い得ませんでした。また、ルシャ地区の厳しい自然環境やヒグマの存在を知らずに訪れる公園利用者への指導や安全誘導も行い、しばしば人々の危機を救ってきました。  かつては知床でも、国立公園や国指定鳥獣保護区の特別保護地区でさえ、漁業施設周辺にヒグマがみられれば、即駆除というのが一般的な社会状況でしたが、大瀬氏の独自の取り組みはこれを劇的に変化させました。同氏は1980年代末から、ヒグマを誘引して問題を発生させるゴミや食糧の管理を徹底し、不要な人為的介入を行わなければ、ヒグマと共存が可能であることを見出し、努力と工夫を続けてきました。今や、同地区では、人間とヒグマが互いに無視し合う形で平和に共存するようになっており、その状態は北米にいくつかみられるヒグマと人間との共存で世界的に著名な自然保護区に匹敵するものとなっています。同氏の取り組みは、国立公園内の多くの定置網番屋にも影響を与え、知床における漁業活動とヒグマの軋轢は大幅に減少しました。  日本においては奇跡的とも言えるヒグマとの共存、知床の核心部ルシャ地区の管理制度の充実や管理活動、そして、同地区でのさまざまな調査研究成果、いずれも大瀬氏の協力なくしてはなし得なかったものです。
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