事務局長のつぶやき

ご挨拶

この3月をもって、知床財団を去ることとなりました。

10年にわたる在職中、さまざまな方にお世話になりました。

感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

4月から新体制となりますが、これからも知床財団へのご支援のほど、どうかよろしくお願いいたします。

事務局長 増田 泰

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2017年ヒグマ事情速報(12月28日集計速報)

2017年ヒグマ月別目撃数速報値

 今年もいよいよ残り僅かとなりました。例年このコーナーに記載していますが、月別の目撃数で見た今年の傾向をお知らせします。

 今年は斜里町羅臼町ともに、夏までは例年通り、その後は例年よりも対応が多くなりました。初夏7月頃と秋10月頃に2つのピークがある2山型となりました。その理由については10月末速報時点で書きましたが、秋の餌事情(ドングリ・サケマス)が良くなかったことが影響しているのではないかと予想しています(事務局長増田)

斜里町月別目撃数

H28,29目撃件数_斜里-20171228

 

羅臼町月別目撃数

H28,29目撃件数_羅臼-20171228

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2017年ヒグマ事情10月末現在速報

2017年ヒグマ月別目撃数速報値

 ヒグマの目撃件数を月別でグラフにすると、初夏7月頃ピークを迎える1山型と、秋10月頃にもピークがある2山型の年があります。昨年は前者の1山パターンでしたが、今年については後者の2山パターンです。秋のピークについては秋の餌条件が関係していると考えられますが、その主なものがドングリ(ミズナラ堅果)とサケマスです。

 知床森林生態系保全センターの調査では知床のドングリは今年凶作と判断されています。カラフトマス、サケについても全体の遡上量は少ない年でした。遡上量が少ないこともあり、遡上最盛期には遡上河川の河口部にヒグマが集中し河口部で目撃が増加しました。ドングリが実れば、山全体に分散するため、どちらかというと目撃数は少なくなりますが、今年はそうではなかったようです。今年の秋はヒグマにとってはつらい秋と言えます。

 このような年は人為的な餌、人家周辺の生ゴミなどが狙われる場合があります。現にウトロや羅臼では住宅街で干し魚などがクマに奪われる事件が続発しています。日没も早くなるこの季節、引き続き十分な注意が必要です(事務局長増田)。

28,29目撃件数斜里

28,29目撃件数羅臼

 

 

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万国共通のルール

 カナダの国立公園へ旅行に行った職員から、みやげ話とあちらで集めたパンフ類や撮影した写真を見せてもらった。

 職業柄どうしても、パンフや看板にどのような記載があるか、つい気になってしまう。いろいろなパンフを見せてもらったが、野生動物に関する注意事項等は共通点が多く、相違点は少ない。下の写真のポスター(ジャスパー国立公園)のように「餌を野生動物にやらない」といったルールは万国共通でであることがわかる。

 ただ、下のポスターで驚いたのは一番下に書かれた罰金の金額だ。上限だが、なんと25000カナダドル。1カナダドル85円として、85×25000=212万5千円!その金額にびっくりした。罰金適用例は少ないのかもしれないが、ただ野生動物への餌やり行為に対して公園管理者が大変厳しい考えを持っていることが、その金額から推察された。

 一方で日本の場合、国立公園など自然公園に関する法律、自然公園法第37条でゴミの投棄などの行為について禁止されているが、罰金は30万円以下(同法86条)である。ゴミの不法投棄に関しては、この他の法律や都道府県や市町村の条例などでも規定されているが、野生動物への餌やりがゴミの投棄にあたるのかは微妙である。

 北海道の場合、北海道の北海道生物の多様性の保全等に関する条例第28条で、対象地域でのヒグマに対する餌やり行為を禁止している。知床もこの条例の適用範囲だが、罰金等は設定されておらず、当事者氏名などの公表のみである。

 カナダの罰金の金額を見て、実際に罰金を適用するかは別にしても、野生動物への餌やりがそれぐらいの大罪にあたるという強いメッセージを公園管理者が発信していることに、少しうらやましく感じた(担当増田)。

25000カナダドルの看板_ジャスパー国立公園s

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イチゴ風味の飲むヨーグルト容器

 下の写真は7月18日に国道334号線知床横断道路で撮影されたものです(斜里警察署提供)。

 子グマの鼻先にあるものはイチゴ風味の飲むヨーグルトの容器です。おそらく、国道を走る車からポイ捨てされたものと思われます。捨てた当事者にとっては何気ない行為かもしれませんが、この体験が子グマの記憶の片隅に残っていれば、「道路に行けば、食べ物にありつけるかも」とふと思い出すかもしれません。

 野生動物にとって食べることは生きることです。中でもヒグマは食物に対する執着心が強く、食べ物を手に入れた場所に再び戻ってきたり、居座ったりすることはよくあります。

ごみのポイ捨てはどこであってもあるまじき行為ですが、さらにそれを野生動物が口にすれば、それは間接的な餌付行為にあたります。

野生動物が道路を餌場と学習してしまった場合、それは人にとっても動物にとっても、決して良い結末とはなりません。

どうか、ゴミを捨てないでください。直接・間接問わず、野生動物には食べ物を与えないでください。

(知床財団事務局長 増田)

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