●第29回知床自然教室が開催されました。

2008年7月30日~8月5日、今年で29回目となる知床自然教室
が開催されました。
今年の自然教室のテーマは「道」。かつて人が暮らしていた知床、
毎年自然教室が開かれる知床、ここには今もたくさんの道が残っ
ています。
昔、畑へ通った道、学校へ通った道、今は森づくりの作業へ向かう道、そしてシカやクマやキツネが歩く道、そしてポンホロへ向かう道、47人の子どもたちは、知床のそんな道を歩き、何かを見つけ感じる夏の一週間を過ごしました。

2008年7月30日~8月5日、今年で29回目となる知床自然教室
が開催されました。
今年の自然教室のテーマは「道」。かつて人が暮らしていた知床、
毎年自然教室が開かれる知床、ここには今もたくさんの道が残っ
ています。
昔、畑へ通った道、学校へ通った道、今は森づくりの作業へ向かう道、そしてシカやクマやキツネが歩く道、そしてポンホロへ向かう道、47人の子どもたちは、知床のそんな道を歩き、何かを見つけ感じる夏の一週間を過ごしました。
今年は地元斜里町から18人、その他の道内から5人、道外から24人、小学4年生から高校3年生まで全部で47人の子どもたちがこの知床に集まりました。今年は香港・アメリカ・イタリア在住の子どもたち5人の参加もありました。
斜里町役場、ここで地元参加者と道外からの参加者の顔合わせ、もう何回も来ている子どもたちは一年ぶりの再会と、
初めて参加の子どもたちは「何が始まるんだろう」という期待と不安が入り混じった瞬間です。
役場の前での開校式の中、班分けと班を率いる大人のリーダーが発表されました。6つに分けられた各班には、小学生も中学生も高校生もそれぞれいます。この班の仲間で知床の一週間を過ごします。
参加者47人、リーダーとスタッフ20人、総勢67名の第29回知床自然教室の始まりです。
その後、斜里の町から知床国立公園の玄関口、ウトロへ向かいます。この日は、ここまで。
ウトロ漁村センター(公民館)で、明日から始まる4泊5日の野外生活に備えます。この夜は、みんなでごはんを食べた後、この自然教室、野外生活での心構えを学んだり、みんなの緊張を解きほぐすレクを繰り広げました。
明日、いよいよポンホロです
電気も水道もガスもトイレもない5日間が始まります。
そしてそこは自然のなか、普段の生活とはまったく違う毎日が待っています。とくにここ知床は、たくさんの野生動物が住んでいる場所です。その中に「おじゃまする」という心構えを、出発する前にもう一度おさらいします。
最後に、ひとりひとりに今年の自然教室のテーマ「道」が染められた手ぬぐいを手渡され、いよいよポンホロへと出発です。

ポンホロとは、かつての開拓地跡、いまは草原となっています。ここが自然教室の野外生活の舞台です。
漁村センターからポンホロまで歩いて向かう途中、道路や建物、電線、車、どんどん人工的なものはなくなっていき、最後に見えるのは、空、山、海そして森だけです。

ポンホロについてからは大忙しです。テントを建て、かまどを作り、トイレの穴を掘り、水をくんできて、わかします。どれもこれから生きていくためにやらなければなりません。班の仲間と協力して終わった後に、やっと今日の夜の夕食作りが始まります。
野外生活が始まりました。
野外生活の2日目は、班対抗の第2回「森ンピック」が開かれました。知床の自然を知るクイズ、自然の中で大声を出すゲーム、森の木々の葉っぱを見分け伝えるゲームなど、盛りだくさんの内容でした。小学生も高校生もみんなの活躍が必要で、班の団結はどんどん強まっていきました。
午後からは森づくり作業です。ここ10数年でポンホロの風景は少しづつ変わってきています。
エゾシカが木々の皮を食べ、食べられた木々はやがて枯れていくからです。
今年の自然教室の森づくりはここに育てた木を植える準備として、支柱となる柱を立てました。今年の秋、ここに苗畑で育てた大きめの木を移植します。その時、みんなの立てた柱が支えとなって移植した木の根付きを助けます。
来年、また自然教室に来たら、ポンホロの風景が変わっています。10年先、20年先、そしてもっと先には、もともとあった知床の風景に戻っていくのかもしれません。
その最初の一歩を今年の自然教室で踏み出しました。
今日は朝から班ごとに看板立てに出発です。自然教室の舞台となる「100平方メートル運動地」には、たくさんの車の通る道路からつながる道がたくさんあります。その入口に「運動地看板」を立てました。空はだんだんと曇り空になってきています。
班ごとに取り付ける看板や道具を持って目的地へ森を抜けていきます。もう柱の立て方は、みんな知っています。あとは森の番人に看板の取り付け方や詳しい場所を教えてもらいながら、みんなで力を合わせて立てました。
ポンホロへ戻るころ、雨がふり始め、だんだんと強い風が吹いてくるようになりました。そして、先にポンホロへ戻った班から無線が入りました。
「テントが飛ばされている」
どんどん風は強くなり、テントは飛ばされたりやぶけたり、子どもたちは風の弱い林の中へ避難です。スタッフは走りテントを押さえ、今夜のテントが足りるかどうか途方に暮れるなか、子どもたちはみんな元気に歌などうたいながら風の止むのを待ちました。

やがて風はおさまりはじめ、なんとかテントもガムテープなどで補修することができました。
まだ雨はふり続いていましたが、自然教室は続行です。
そして47人は嵐の夜を乗り切りました。
今日は知床の森の奥深くまで探検に行く日、ただまだ雨が降っています。そこで予定を変更して、森へ向かう班とそば打ちをする班に分かれて行動することにしました。
まずは全員で開拓小屋へ、ここは、ポンホロから1キロぐらい離れた森の中にある昔は馬小屋として使われていた建物です。そして、探検班は森を目指し、そば打ち班は地元斜里産のそば粉を使ったそば打ちに挑戦です。
次第に雨も上がり始め、それぞれ目標を達成した子どもたちみんなは再びポンホロへと帰りました。後はお風呂(昔使われていた五右衛門風呂)に入ったり、マシュマロを焼いてみたりとのんびりすごしました。
思えば今夜が、ポンホロ最後の夜です。
自然教室も後2日です。
夜、ギターの音に寄せられて、だんだんと子どもたちが集まり出しました。

歌うのは、自然教室参加者だけが知っている「しれとこの歌」です。
野外生活最終日。
やっと焚き火の扱いになれたころ、やっとテントで寝ることになれたころ、やっとお風呂に入らなくても気にならなくなったころ、でも今日が最後の日です。
朝、ポンホロ最後の食事を作ります。10人分の食事を作るのもこれが最後です。
テントをたたみ、使った道具を確認し、かまどを元通りに直して、トイレの穴も埋めました。
最後に、ポンホロにありがとうを言いました。
また、漁村センターまで歩きです。車、道路、電柱、建物、どれも久し振りに目にするものばかりです。
漁村センターで鍋やテントの片付けをした後に、数日ぶりのお風呂へ行きました。普段ではあたりまえのことでも、この一週間のあいだに、あたりまえではなくなっていることがたくさんありました。
夜はみんなでバーベキュー、自分たちで野菜を切らず、火も起こさず、何もしなくても料理が出てきます。これも久しぶりなことでした。
最後のキャンプファイアー、みんな火のまわりに集まります。

自然教室も今日で終わりです。
自然教室で過ごした一週間、みんな感じたことがたくさんあ
ると思います。変わったこともたくさんあると思います。
それぞれみんなそれを自分の家に持って帰ります。
知床でできた仲間と友だちともお別れです。
知床もみんなのふるさとになったかもしれません。
第29回知床自然教室、終了です。
また来年、知床で。