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「第16回 知床森づくりの日・秋」実施報告

期間:2015年10月2日(金)~6日(火)

今年も、秋の知床で4泊5日、合宿型の森づくりイベントを行いました。今回は、道内外より8名の方がご参加くださいました。ベテランさん、久しぶりの方、初めての方、皆さん様々です。イベント前日は、強い風が吹き大木が揺れ動くほどの大嵐となり、一時はご到着が危ぶまれましたが、無事に到着され一安心しました。

作業前には、森の番人から説明があり、みんな真剣に耳を傾けました。

作業前には、森の番人から説明があり、みんな真剣に耳を傾けました。

翌日も強い風が吹いていたため、高所作業は延期し、トドマツの山採りを実施しました。山採りとは、ほかの場所に移植するために、林床にある木の苗(今回はトドマツ)を掘り取ることを言います。作業前には森の番人から、森のこと、そして木の扱い方の説明があり、みなさん真剣に耳を傾けていました。道具一つをとっても、コツを知ると作業効率はぐんと上がり、安全で丁寧な仕事につながります。今回山採りした苗は、しばらくの間、苗畑で養生してから、今後「しれとこ森の集い(植樹祭)」でまた森に戻される予定です。

 

通称「ユキムシ」。冬を知らせる虫として、この虫が飛ぶと、雪が降る?と言われています。

通称「ユキムシ」。冬を知らせる虫として、この虫が飛ぶと、雪が降る?と言われています。

作業中、ちらほらと舞う虫。よく見ると、冬の到来を知らせると言われる、通称「ユキムシ(本名:トドノネオオワタムシ)」でした。確か、羅臼岳も冠雪したようです。

 

 

 

 

かさ上げしてから、金網を取り付けていきます。

かさ上げしてから、金網を取り付けていきます。

次の日は、風もおさまったので、防鹿柵(シカ柵)の補修・かさ上げを行いました。この柵は、2006年の「知床自然教室」に参加した子どもたちによって作られました。しかし、昨年の冬、大雪によりシカに侵入され、緊急処置をしていました。今回は、添え柱でかさ上げし、金網を止めていきました。一見軽く見える金網ですが、とても重い!等間隔に分かれ、息を合わせて作業しました。これで、今年の冬は少し安心できそうです。

 

 

一つ一つ丁寧に、力強く打ち込んでいきます。

一つ一つ丁寧に、力強く打ち込んでいきます。

作業最終日は、岩尾別川河畔林において、昨年の秋からダイキン工業支援事業により、設置を進めているシカ柵の最終仕上げを行いました。つい先月も、ダイキン工業社員ボランティアの皆さんにご協力いただき、今回で残ったフェンス(平板)の取り付けをすべて行い、完成を目指しました。
大きな岩、木の根が張る地面での高所作業。緊張しながら、一つ一つ丁寧に、かつ力強く釘を打ち込み固定していきました。

 

 

おかげさまで、フェンスの取り付けはすべて終了しました!

おかげさまで、フェンスの取り付けはすべて終了しました!

嵐で始まった森づくりでしたが、期間中ほぼ秋らしい青空のもと、予定していた作業をすべて行うことができました。
参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

(担当:喜内)

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天高く晴れ渡る青空。奥に見える羅臼岳の頂は、うっすら白くなっていました。

天高く晴れ渡る青空。奥に見える羅臼岳の頂は、うっすら白くなっていました。

<ボランティアさんからのひと言>
・防鹿柵の板張り、かさ上げと苗の植え替えを行いましたが、雨にも降られず楽しく作業できました。スタッフの皆さま、お世話になりました。(神奈川県 50代 男性 I・Sさん)

・秋の森づくりは、一日一日、葉の色が変わって行くので、“自然の時間”の中をただよっているような心地良さが得られます。(札幌市 60代 男性 K・Mさん)

 

朝晩の冷え込みで、グッと甘さが増してきたヤマブドウ。

朝晩の冷え込みで、グッと甘さが増してきたヤマブドウ。

・今回、ボランティア初参加で、体力もあまり自信がないので足手まといにならないかとても心配でしたが、スタッフさん、参加者の方々は皆本当にいい方々ばかりで5日間楽しむことができました。森の番人のお話もとても楽しく勉強になりました。防鹿柵の釘打ちも腕は痛くても楽しくなり、お弁当を食べている時にキタキツネにも会えました。本当にありがとうございました。(東京都 30代 女性 T・Mさん)

 

 

 

起伏があり、地中に支柱が埋設できないため、創意工夫して一つ一つ組んでいきます。

岩石が多いため、支柱を埋設できません。また起伏に富んだ地形のため、創意工夫して一つ一つ組んでいきます。

・普段はかわいい仔鹿もかっこいい雄鹿も、個体数が増えすぎると、冬に樹皮を食べて木の枯死を招く一要因になってしまうのですね。自分たちの柵補修作業が、知床の自然全体のバランスを保つことに役立つと思うと参加して良かったです。(東京都 50代 女性 M・Mさん)

 

 

 

 

山採りしたトドマツは、しばらく苗畑で養生するため、苗床(苗のお布団)に植樹します。

山採りしたトドマツは、しばらく苗畑で養生するため、苗床(苗のお布団)に移植しました。

・何回目かの参加となりましたが、何度か会うリピーターの方、初めて会う方、様々です。出身・仕事も様々な方達と話を聞きつつ、少しずつ出来上がっていく柵の様子や成長する木々を見るのはとても楽しいです。(静岡県 40代 女性 N・Kさん)

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