河畔林とそこに暮らす生き物たちを復元するプロジェクト

「カツラの森、命あふれる川の復元事業」とは?

「しれとこ100平方メートル運動」の対象地である岩尾別川流域は、かつてはカツラの木を中心とする見事な河畔林がありました。しかし、1981年の大水害によって多くの河畔林が失われてしまい、さらに、増加したエゾシカによって次世代を担う苗が食べられてしまうため、河畔林の再生がなかなか進んでいないのが現状です。海と森が川でつながり、遡上するサケ・マスやそれを利用する動物たちを通じて大きなエネルギーの循環が見られることが知床世界自然遺産の価値であり、岩尾別川流域の環境改善が進まないことは知床にとって長年の懸案事項となっていました。

カツラの大木が育つ森

カツラの大木が育つ森

北西の空から見た知床半島中央部。岩尾別川には毎年たくさんのサケ・マスが遡上する。

北西の空から見た知床半島中央部。

katsura7ダ イキン工業株式会社様からのご支援をいただき、岩尾別川流域にかつて存在した豊かな森と自然な川の姿を取り戻し、生物相も含めた流域生態系を 復元する検討を始めています。このプロジェクトでは、知床財団が現地業務を担い、1)河畔林・河川の自然再生と2)基礎調査・生物相の復元の 2つの事業を並行して行っています。

ダイキン工業株式会社様のホームページにもこのプロジェクトが掲載されています。
http://www.daikin.co.jp/csr/shiretoko/index.html iconset

 

1)河畔林・河川の自然再生

シカが侵入できないように柵を設置して河畔林の育成を促します。河畔林の再生により魚のエサとなる昆虫類がすむ環境の改善も期待されます。また、過去に川の流れを一部直線化した部分を淵や蛇行のある構造に戻していくことにより、魚がすみやすい河川環境を復元し、オショロコマや絶滅が危惧されているサクラマスの生息環境を改善します。

オショロコマ

オショロコマ

地中に杭を打たない自立式シカ除け柵の設置風景

地中に杭を打たない自立式シカ除け柵の設置風景

 

2)基礎調査・生物相の復元

河畔林や河川の再生ばかりでなく、元々そこにあった生き物の営みを復元することも目指しています。河川環境と河畔林の現状把握、1)を効果的に進めるためのデータ収集、成果を評価していくためのモニタリングや、先進事例の情報収集も行っています。

カツラの母樹調査

カツラの母樹調査

サクラマスの産卵床の数を調べる潜水調査

サクラマスの産卵床の数を調べる潜水調査

 

 

seika

この5カ年の成果はコチラ↓
カツラの森、命あふれる川の復元事業 報告書(抜粋)

知床財団の活動